文字
背景
行間
ご挨拶
栃木県小学校長会
会長 堀場 幸伸
今年度,会長を拝命いたしました宇都宮市立中央小学校長の堀場幸伸です。微力ではございますが,精一杯努力してまいりますので,どうぞよろしくお願いいたします。
さて、昨年の5月に新型コロナウイルス感染症が5類に移行したことで、子供たちの笑い声や笑顔が至る所に満ちあふれ,学校には活気と明るさが戻ってきました。しかしながら、学校を取り巻く環境は大きく変化し、先行き不透明で予測困難な時代を迎えています。このような難しい時代ではありますが、私たち校長は、子供たちの健やかな成長をめざし,学校経営の充実に努めていかなければなりません。そのためには、3つの課題があります。
1点目は「子供の安全安心を守る」という課題です。学校は、地震などの災害や突発的な事件・事故から子供の安全「子供の命」を守らなければなりません。そのためには、常に最悪の事態を想定し,準備や対応を考えておく必要があります。また、子供の安心を守ることも大切です。現在,不登校児童生徒の急激な増加が深刻な問題となっていますが,すべての子供にとって,学校が安心できる場所となるよう,子供の居場所づくりや,一人一人の教育的ニーズに応じた支援ができるよう,校内支援体制の整備に努めていきたいと考えております。
2点目は「子供の未来を守る」という課題です。科学技術の急激な進展により,生成AIなどの人工知能は私たちの生活に深く浸透し,Society5.0の時代が着実に近づいてきています。現在の小学校6年生が大学を卒業する10年後、日本はどのような社会になっているのでしょうか。また、10年後の子供たちに求められている資質・能力とはどのような力なのでしょうか。ちょうど,国でも次期学習指導要領の改訂に向けた作業が始まりました。これらの動向にも注視しながら、子供たちが10年後,20年後の未来をたくましく生き抜いていけるよう,「生きる力」を確実に育んでいきたいと考えております。
3点目は「教職員を守る」という課題です。学校は、県教育委員会,各市町教育委員会のご指導の下、働き方改革の推進に取り組んで参りました。その結果、教職員の時間外勤務の状況は一定の改善がみられてきました。しかしながら、依然として長時間勤務や子供と向き合う時間の不足などの実態もみられています。さらに,全国的な教員不足という憂慮すべき状況も続いています。学校は,働き方改革の更なる推進に取り組むことで教職員にとって「働きやすい」職場環境づくりをめざすとともに、教員が本来の職務である子供たちへの指導に専念し,教員としての「やりがい」を実感しながら勤務できるよう,校内研修の充実や業務改善に取り組んでいきたいと考えております。
結びとなりますが,私たち校長は究極の一人職です。校長会の組織を生かし,校長同士の絆を深めながら,一致団結して栃木の子供たちの笑顔のために取り組んでいきたいと考えております。1年間,どうぞよろしくお願いいたします。