あいさつ

ご挨拶

 

                                  

                            栃木県小学校長会

                                                                  会長 口川 和伸

 

 今年度、会長を拝命いたしました宇都宮市立東小学校長の口川 和伸です。微力ではございますが、精一杯努力してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  

 

 さて、昨年末に2030年度にも改訂される小中高の学習指導要領の議論が文科大臣の諮問により始まりました。

今の「主体的な学びの実現」などの方向性は維持しつつ多様な子供への対応やデジタル社会を見据えた教育に加えて教員の負担軽減を図る内容を目指したものになりそうです。まさに子供たちと教員がともにウェルビーイングを感じる改訂となることが求められています。

このような時期に私たち校長は、全連小活動の意義でもある「つながり-学び-国に声を届け」ながら学校経営の充実に努めていく必要があります。そのためには、2つの課題があります。 

 

 1点目として、まずは校長自身が自ら学び、市・町の教育施策はもとより県・国の取組の現状を調べるということです。

今は私たちが当たり前にやってきた教育に新しい考え方や手法が求められてきています。GIGAスクール構想下の端末を活用した授業のあり方、社会的自立を目指し「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではないとする不登校の新たな考え方など多様な児童の状況に対応するため、教育分野は今や考え方等が更新(県教育長:「常識のUPデート」)され、様々な取組が繰り広げられています。

それらの現状を把握し国や県の取組を背景とした我が市・町の教育施策の状況をまずは調べてほしいと思います。我が自治体の教育費が他市町と比べ高いのか低いのか、会任職数はどうなのか…そういう基本的な教育施策を把握すると、次は必ず課題が見えてきます。

ここをもっとこうすれば…となったら、県や国に要望の必要がある際は、ぜひ役員や各地区理事の校長先生を通じて本会に声をお届けください。しっかりと訴えてまいりたいと思います。

 2点目は、上の「ここをもっとこうすれば…」の場面と重なりますが、校長自身がいわば「クリティカルシンキング」として他者の意見をそのまま鵜呑みにせず様々な視点から掘り下げて考え、自分なりの意見をもつことです。自分の独善的な意見ではなく他者の考えをよく吟味し必要に応じて上手く取り込み自分の意見を広げ深めていくことも大切ですが、今までにとらわれない柔軟で斬新な視点が、校長自らの日々の学校経営の判断場面ごとに求められていると思います。

 以上、学校経営を充実させていく上での2つの課題を述べましたが、充実させていく中で先に申しあげたとおり、教員のウェルビーイングの視点はとても大切です。

学校は、県教育委員会、各市町教育委員会のご指導の下、働き方改革の推進に取り組んで参りました。その結果、教職員の時間外勤務の状況は一定の改善がみられてきました。しかしながら、依然として長時間勤務や子供と向き合う時間の不足などの実態もみられています。さらに、全国的な教員不足という憂慮すべき状況も続いています。学校は、働き方改革の更なる推進に取り組むことで教職員にとって「働きやすい」職場環境づくりをめざすとともに、教員が本来の職務である子供たちへの指導に専念し、教員としての「やりがい」を実感しながら勤務できるよう、校内研修の充実や業務改善に取り組んでいきたいと考えております。「ホームラン」ではなく「ヒット」の積み重ねが大切です。

 

 結びとなりますが、私たち校長は一人職です。校長会の組織を生かし、校長同士の「つながり」を深めながら、一致団結して栃木の子供たちの笑顔のために取り組んでいきたいと考えております。1年間、どうぞよろしくお願いいたします。