最近の学校の様子から

第38回卒業式

3月25日、暖かい日となりました。
校庭のソメイヨシノは4分咲きくらいでしょうか。
コロナウイルス感染症拡大防止のため3月が臨時休校となった
令和元年度最後の授業日です。
3月に卒業生が登校できなかったため、教職員でできる限りの準備をしました。
展覧会で作った作品を展示したり、再現したりして会場を飾りました。
 
絵手紙教室の先生方のお祝いのメッセージも掲示しました。
 
父母と教職員の会の卒業対策委員会の方がお菓子のタワーを作ってくださいました。

教室は、学級担任がメッセージを作りました。
 
在校生は参加しなかったため、教職員が入場の演奏をしました。
門出の言葉では教職員が卒業生との思い出を語りました。
また、思い出の写真を編集してスライドショーを作りました。
 
1時間という短縮した式は例年よりも増して濃い内容となりました。

式後、学級ごとに記念写真を撮り、その後、下校しました。
 
ご卒業おめでとうございます。


~卒業式 校長式辞~
温暖化によるものでしょうか。南鶴の桜がちょうど卒業式にあわせて満開を迎えようとしています。みなさんの門出をお祝いしているかのようです。

保護者の皆様。本日は、多摩市立南鶴牧小学校、第38回卒業式にお越しくださり、ありがとうございます。お子様のご卒業、おめでとうございます。
6年前の入学式に手をつないで門をくぐったことや、数々の行事や出来事、小学校生活の今日(こんにち)までの記憶が蘇り、その成長の足跡に、お慶びもひとしおかとご推察いたします。6年間にわたる、小学校生活への変わらぬご支援に、改めて感謝申し上げます。誠にありがとうございました。

さて、101名の卒業生の皆さん。改めて、ご卒業、おめでとうございます。先ほど、皆さんは卒業証書を一人ずつ手渡され、小学校の全過程を終了することとなりました。小学校生活の思い出が走馬灯のように浮かんできていると同時に、4月からの中学校生活への期待に胸を膨らませていることと思います。

今手にしている卒業証書には、みなさんが小学校生活でがんばり、成長し続けた、
皆さんの汗や涙。これまでみなさんを励まし、支えてくださったご家族、地域の方々、先生方の熱い思いが込められていることを、どうか、かみしめてください。
そう、たくさんの方々の温かいまなざしのもとに成長できた、幸せの証(あかし)となる、一枚の証書なのです。

みなさんの門出を祝し、私の願いを、お話しさせてください。

2月29日。私たちの3学期が突然修了しました。コロナウイルスの蔓延を防ぐための休校措置でした。
歴史をさかのぼってみると、戦時下の1944年(昭和19年)秋に、戦火が激しくなり自然休校になった時以来の出来事です。みなさんはもちろん、みなさんの親や先生たちにも全く経験のない出来事でした。

地球温暖化問題やマイクロプラスチック問題。デング熱や新型インフルエンザ。そして、コロナウィルス。これまでに私たち人類が経験したことのない出来事や難題が、
これからも頻発することは間違いありません。そんな地球規模の出来事でなくとも、皆さんがこれから歩んでいく人生は、初体験の出来事がほとんどでしょう。
さて、そんな困難な場面に立たされた時、あなたは、どうしますか。

「去年のような卒業式ができない」

3月いっぱいの休校が決まった時、6年生の担任の先生や南鶴の先生たちは、落胆しました。卒業式の練習をせずに、どう卒業式を行うのか・・・。大きな難題でした。
なぜなら、誰も経験したことのないことだからです。打ちひしがれるのは簡単です。しかし、そこで終わってはいけない。このままではいけない。先生たちは、声にはせずとも、みんながそう思っていました。

「それでも、精一杯の送りだしをしてあげたい。」
「どうしても、卒業生に気持ちよく巣立ってほしい」

懸命に考えて、多くの先生が案を出しました。「いいね」と声の上がった企画に、みんなが協力して、係や担当関係なく創り上げていきました。60分という制限が設けられた状況を逆手にとって、これまでにない特別な卒業式にしようと、むしろ意気揚々と取り組んでいたのかもしれません。

入場の時の先生たちの演奏。
復活させた一人一人の「決意の言葉」。
証書授与のあと、花道を通って席に戻る会場のレイアウト。
この後上映する「思い出の一場面」。
少しでもみなさんに声を出してほしいと考え、メールでお知らせした「門出の言葉」。
例年以上の会場の装飾。
卒対の保護者の方々が作ったメッセージとお菓子タワー。
これまでにないことばかりです。

何を大切にして卒業式を行うのか。そう、まさに6年生へ向けた最後の授業のための準備のようでした。

経験したことのない困難な事態に直面した時。

「仕方ない」 「もうそれでいい」

そう思わないでほしいと、先生たちは最後に教えたかった。
「もうだめかもしれない」
そんな場面で、
「それでも・・・、どうしても・・・。」
そう思える、そう行動できる人になってほしい。そこには、「知恵」と「心」が必要です。その「知恵」と「心」をどう活用できるか。人間の価値と言うのは、そういうところに宿るのだと思います。

そんな南鶴牧小学校で過ごし、今日卒業を迎えたみなさん。
みなさんは、その「知恵」と「心」を小学校生活でたくさん学んだはずです。
この学びを誇りに。
この仲間を拠り所に。
この学校はあなたの故郷。
疲れたら、困ったら、悩んだら、いつでも顔を出しにおいで。

未来は、あなた次第。 あなたそのもの。

みなさんの、希望に満ちた未来を祈念して、はなむけの言葉といたします。
ご卒業おめでとうございます。

令和2年3月25日
  多摩市立南鶴牧小学校 校長 關口 寿也