木間ケ瀬中「歳時記」
3月1日(火)
3月といえば「別れの季節」を思い浮かべてしまういますが,学校という社会では「卒業式」があり,毎年多くの卒業生が羽ばたいて行きます。今年も11日(金)には114名の3年生が,それぞれ自分で選び自分で切り開いた新たな生活を始めるために,この母校を羽ばたいてゆくことになります。そんなこともあり3月は少し寂しい気持ちがしてしまいます。
さて,そんな3月ですが,3月には様々な呼び名(異称)があります。私も「弥生(やよい)」程度は思い浮かびましたが,それ以外は・・・ 少し紹介してみましょう。
<弥生(やよい)><花月(はなづき・かげつ)><桃月(ももづき)><桜月(さくらづき・おうげつ)><禊月(みそぎづき)><夢見月(ゆめみづき)><花見月(はなみづき)><花惜月(はなおしみづき)><春惜月(はるおしみづき)><晩春(ばんしゅん)><暮春(ぼしゅん)><残春(ざんしゅん)>など・・・
いずれにしても,ほんのり暖かさが伝わってきそうですね。昔の人は上手に表現したものだと改めて感じました。
PS : 春といえども今朝は寒いですから,暖かくしていってらっしゃい・・・
3月2日(水)
このところ,このHPを見てくれる人も急増し,今では毎日100前後のカウントを記録しています。これは更新する私にとってうれしいことには違いありませんが,同時にプレッシャーも大きくなってきています。先日ある保護者から「先生,今日は話題に困ったんでしょ?毎日しっかりチェックしているんだから・・・」なんて声をかけていただきました。とてもうれしいことです。しかし内心は「しまったバレたか・・・」と痛い思いをしたものです。
ということで,今まで以上に気合いを入れて(?)話題を探しました。
知っているようで知らないことの一つに「日本の人口」があります。いったい何人でしょう?私と同年代の方々なら「郷ひろみ」さんの歌を思い出しますよね。「確か歌詞では瞳が2億4000万だから,約1億2千万人か・・・」って。まあ間違いではないにせよ,かなり古いデータでした。総務省は10年に一度「国勢調査」を行っていますが,2015年度調査結果がまとまり,日本の人口がはっきりとしました。調査を実施した10月1日現在の日本の人口は「1億2711万47人」だったそうです。「う~んなるほど」。この数字は良いとして,前回10年前の調査に比べると「94万7305人減」だそうで,1920年(大正9年)の調査開始以来初めて「マイナス」に転じたそうです。
よく「少子高齢化」なんて言葉を聞きますが,この数字をみると実感します。調査を実施した総務省は「別の統計でも出生数から死亡数を差し引いた『自然減』が大きく,はっきりと人口減少の流れに入ってきた」と分析しているそうです。
日本の将来を背負う若者にがんばってもらいましょう。確実に近い将来,社会の中心となる世代,今の小学生や中学生に未来託しましょう。(大丈夫かな?)
3月3日(木)
さて,3月3日はご存じの通り「桃の節句」。女の子がいる家では「雛(ひな)人形」を飾り,雛あられや白酒,が備えられたり,チラシ寿司を食べたりしながら,女の子の健やかな成長を祈願する一日です。この「桃の節句・ひな祭り」には「雛人形」がつきものですが,この雛人形,意外と面白いんですよ。というのも,男びな(お内裏さま)と女びな(お雛さま)の並べる位置関係です。どちらが右で,どちらが左に並べますか? 主に関東以北の地域では「お内裏さまが右(向かって左)」で「おひな様が左(向かって右)」に飾られることが多いようですが,西日本を中心として,その逆の並び方もあるそうです。これには歴史的な背景なども関連するようですが,もともと主に福岡県で雛人形を作っていましたが,明治時代以降関東でも作られるようになりました。当時は双方ともに「お内裏さま」が左(向かって右)で「お雛さま」が右(向かって左)に飾っていました。これは昔からの日本の風習「左上位」の考えに則ったからだそうです。この左上位の考え方は今も様々なところに残っていますね。 伝統を重んじる京都などで西日本では,その名残で今も左上位で並べることが多いそうです。しか昭和天皇の即位の礼がきっかけとなり,関東以北は「右上位」の並べ方が増えてきたそうです。昭和天皇の即位の礼には世界各国から要人が集まりました。昔から西洋では「右上位」の考えが一般的で,即位の礼の際の席順もそれに合わせたことから,昭和天皇も右側(向かって左)に,皇后陛下は左側(向かって右)に座ったことがきっかけで,関東地方を中心に「右上位」の並べ方が広まったそうです。
そう言えば国際的には五輪等の表彰台も真ん中が1位,右側(向かって左)が2位,左側(向かって右)が3位の順になっていますよね。
PS : 今はまだ冷え込んでいますが,昼間は暖かくなるそうです。桃の花のきれいなピンクも一層深まりそうですね。
3月4日(金)
この「フライパイ」とは「接近通過」という意味で,衛星や隕石などの宇宙の分野で使われている言葉だそうです。NASAの発表によると明日「フライパイ」が起こると予測しているそうです。小惑星が地球に接近しており,地球に衝突することはないようですが,かなりスレスレのところを通過するのではないかと予測しています。この小惑星は「2013TX68」と名付けられており,推定されている最も地球に接近したとして,上空1万7000㌔から月までの距離の35倍程度の1400万㌔とかなりザックリ幅のある予測だそうです。NASAともあろう立場がいったいなぜこんなに幅のあるデータなのか疑問ですよね。これは小惑星「2013TX68」の性質にあります。名前の通りこの小惑星が発見されたのは2013年,しかしこの2013年の3日間だけしか観測されていないのだそうです。地球と太陽の直線上に小惑星の軌道が重なってしまい,小惑星の姿を太陽光が遮ってしまっているからだそうです。2013年の観測された3日間で,小惑星の軌道は計算できたそうですが,未知の部分もあるため,地球との最接近推測距離に幅があるのだそうです。 今は小惑星の軌道が太陽と重なっているため,その姿を肉眼で見ることはできませんが,明日になれば軌道が太陽から外れて見える可能性があるそうです。
ちなみに2013年にはロシアのチェリャビンスクで爆発した隕石の報道を覚えていますか?今回の小惑星の大きさは,そのときの約1.5倍程度と言われています。 この小惑星今回の軌道の最接近では「地球への衝突はない」とされていますが,次回の最接近は2017年9月28日,地球に衝突する可能性は「2億5000万分の1」だそうです。
PS : 今日は千葉県公立高校の入学許可候補者の発表です。全員合格してほしいのはもちろんですが,どんな結果であろうと,しっかりと受け止めることが大切で,次への第1歩になることを忘れないでほしいものです。
3月7日(月)
さて,卒業式を目前にしていますが,今年度の入試はまだ終わっていません。10日(木)には埼玉県公立高校の発表が控えています。こんな時期ですので,敢えて卒業してゆく3年生に話をしたいと思います。よく「少しでも良い学校に・・・」などと「良い学校」という言葉を使います。また受験生にとっては,当然第2希望より第1希望の学校が「良い学校」となるのでしょうが,いったい「良い学校」とはどんな学校のことなのでしょうか?おそらく多くの人は「偏差値のより高い学校」を良い学校と呼んでいるのではないでしょうか? もちろん超難関の有名校に入学できた人を凄いとは思いますが,万人にとって「良い学校」ではないと思います。高校は義務教育ではありませんから,学業をきちんと修めなくてはなりません。憧れで受験し,すれすれで合格してしまったら,どんな高校三年間が待っているのでしょう。それでも歯を食いしばり必死について行く精神力や気力を保てる人には,きっと良い学校なのでしょうが,それ以外の人にとってはどうでしょうか?
もちろん3年生の皆さんは,名前ではなく,そういった意味で自分にとって「良い学校」を選択しトライしてきたことでしょう。それでも合格もあれば不合格もあるのが受験です。以前もこの場で書きましたが,人生にとって高校受験はただの1台目のハードルでしかありません。無事に越えられた人が,気を緩めたら2台目以降のハードルを越えられないこともあります。逆に1台目を引っかけてしまったからこそ,2台目以降慎重に越えることができるというものです。
大切なのは「どこに行くか」ではなく「どんな生活をするか」ではないでしょうか。良い学校かどうかは,他人が決めるものではありません。自分の心が決めるものなのです。
PS : 数年後,「良い学校」だったと胸を張って言える卒業生であることを楽しみにしています。