【678組 授業風景】英語
1月30日㈪は、678組の授業を取材しました。
生徒さんは2クラスに分かれて英語の授業を受けています。
こちらのクラスは、数字を英語で読み上げるビンゴゲームをしていました。まず、生徒さんたちは紙に5×5マスのビンゴを手書きでつくります。そして、1人ずつ順番に好きな数字を読み上げていきます。ゲームを通して、楽しく学習をしていました。
こちらのクラスでは、生徒さんたちが There is 〜、There are 〜の文章で、どこに何があるかを説明する表現について学んでいました。
印象的だったのが、ある生徒さんが大型テレビを見てつぶやいた「Oh! Big book!」という表現です。
本が大きいかどうかは、今日の授業内容とは関係のないことでした。しかし、頭に浮かんだことを自然に英語で表現したことはとても大きな意味があると考えます。
【こばなし】
昔、ある日本人男性が外国の学校で日本語講師として採用されます。
彼は当初、『日本人が日本語を教えることは簡単だ』と思っていたようですが、いざ授業がはじまると大きな問題に直面します。
彼は、熱心な学生からの質問に答えられなかったのです。例えば…
「私が好きなスポーツはサッカーです。」と「私の好きなスポーツはサッカーです。」における「が」と「の」はどのように使い分けているのですか?
「動物を数えるときに、1匹(ぴき)2匹(ひき)3匹(びき)と匹の読み方が変わるのはなぜですか?」
…といった質問です。
学生たちの『学びたい!』という期待にこたえられず、心苦しい思いをします。そこで、彼は発想を変えてある思い切った授業をします。それは、自分たちの心が動いた瞬間を日本語で表現しよう!というものです。
彼は学生たちと一緒に、川辺をジョギングしました。そして走り終わった直後、地面に座り込んだ学生たちに「あー疲れた!」という言い回しを教えたのです。
ランチを一緒に食べたときは、「なんておいしいサンドイッチなんだ!」という発音をみんなで練習しました。
この授業方法が学生たちから大ウケして、“生きた日本語が学べる講座”として人気を博すのでした。
今日の授業で「大きな本だ!」と英語でつぶやいた生徒さんは、きっと頭と心が繋がった自然な状態でリアクションをしてくれたのだと思います。まさに、英語の学びが生きた瞬間です。
この背景にはきっと、心理的な安全を感じ、楽しく学ぶ普段の授業があったからだと記者の私は予想するのでした。