新人戦エピソードⅡ~卓球部
本校の卓球部女子は部員が1名です。たった一人の卓球部です。
でも、一人ではあっても「独り」ではありません。
ネット挟んで対戦する競技ですから、校内で打ち合える仲間はいません。いつも顧問の先生と打ち合ったり、時には、お願いをして豊春中の卓球部の練習に混ぜてもらったりして、練習を重ねてきました。土日の練習もです。練習試合も豊春中といっしょに出場させていただいています。
その彼女が2学期初めの生徒朝会、全校生徒の前で、今後の目標について次のようなことを語ってくれました。「私にはお世話になっている人がたくさんいます。顧問の先生、豊春中の卓球部の皆さん、豊春中の卓球部の先生、両親、そうした私を支えてくださった皆さんのためにも、県大会に出場したいです。」堂々として立派なスピーチでした。
団体戦には出場できませんが、新人戦2日目のシングルスに出場した彼女は、トーナメントを勝ち上がり、4名で行われる決勝リーグに進出。そのリーグ戦の最中、1ポイント取るたびに2階席から大きな拍手が沸き起こります。そうです。豊春中の卓球部の生徒たちが、一緒に練習しているたった一人の大増中卓球部生徒を応援しているのです。力強い拍手です。背中を押してくれる拍手です。おそらく彼女はかなり勇気づけられたのだと思います。
決勝リーグ3戦を2勝1敗として県大会出場を手にしました。
それは、支えてくれた仲間、先生、ご両親への篤い思いがあってこその勝利であったと思います。そうした思いをもったあなただからこそ、皆さんが「おめでとう」と言ってくれるし、これだけの支援、応援、声援をいただけたのだと思います。たった一人でも、周囲の多くの人たちの協力をいただける、「独り」にさせない何かをあなたはもっているのです。
たった一人の卓球部、されど「独り」ではない卓球部に、おめでとう。