布佐中トピツクス

第74回卒業証書授与式を挙行いたしました~70名の旅立ち

3月16日、桜の蕾も大きく膨らみ、例年より早い開花が予想されている穏やかな春の日、布佐中学校第74回卒業式を行いました。70名の卒業生が、それぞれの3年間の思い出を胸に、卒業証書をしっかりと受け取り、次のステージへと力強く返事をして、それぞれの道を歩みます。今年は、コロナ禍で感染症対策を第一に考えて、在校生の送別の歌や卒業生の卒業の歌も歌えませんでした。それでも、卒業にあたり、3年間の思い出と成長、後輩へのメッセージ、家族や地域の方への感謝の言葉など、卒業生の想いが伝わる別れの言葉となりました。それぞれ次のステージに向けて力強く旅立ちました。今まで、卒業生を支援、応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。

校長式辞「桜の蕾もふくらみはじめ、もうすぐそこまで春がやってきました。本日、我孫子市教育委員会教育長 倉部俊治様ご臨席の下、大勢の保護者の皆様に列席を賜り、在校生・教職員一同で、卒業式を挙行できること、感謝の念に堪えません。本日は、本当にありがとうございます。
 今、卒業証書を一人一人にお渡ししました。とても、意味のある証書です。卒業生の皆さん、ご卒業おめでとう。保護者の皆様、お子様の義務教育最後の中学校ご卒業、誠におめでとうございます。心よりお喜び申し上げます。
 入学以来、今日までの、様々な出来事を思い返すと、喜びもひとしおのことと思います。布佐中学校職員一同、至らぬ点も多く、色々とご心配をおかけした三年間であったと思いますが、本日、立派な卒業生の姿を見ることができ、私たちも感謝の気持ちでいっぱいです。ご支援・ご協力本当にありがとうございました。さて、卒業生の皆さんにお話しするのも、これが最後となりました。最後のお話しをします。皆さんが生まれて十五年、その間に、人類が目にした社会的、技術的な変化は過去に類を見ないほど、あまりにも大きく、次々と新しい波がやってきます。時に自分を見失い、慌てふためいてしまいます。そんな時代の今、皆さんの心にとめておいて欲しいと思ったことをお話しします。林間学校、覚えていますか?自分の決めたテーマについて、色々と調べ、実際にフィールドワークをして、まさに「自ら学ぶ」を実践できて、とても印象に残っている卒業生も多いと思います。そんな林間学校、夜、キャンプファイヤー、どこからともなくゴム草履を履いた火の神が登場し、各クラスに火を分けてくれました。その時、火の神が、言ったことがあります。「ジャングルの木の上の生活から、最初に大地に降り立って、二本足で歩き始めた私たちの祖先のサルの話です。勝手に想像するに、大きな地球規模の気候変動のために、アフリカの自然環境も変化してしまい、緑豊かで住みやすいジャングルの木々がどんどん減っていき、もうそれ以上、木の上で生活できなくなった我々の祖先が、好奇心をもって、なんとか今の状況に負けずに、なんとか頑張ろう、大丈夫、と、不安で心細い思いをしながらも、大地に降り立ち、新しい希望を求めて、自分の足で歩き始めた・・・・・・そんな私たちの祖先の行動は、今、この時代を、人間らしく、自分や家族、みんなの幸せのために、前向きに生きるための大切な「3つの力」を教えてくれると思うのです。 一つ目は、夜、雷が落ちた木が燃えて、「火」の存在を知り、いったいこれは何だろう、と好奇心を持つ、「なぜ?」「どうしてだろう?」問い続け、あの地平線の向こうに行ってみよう、と行動を起こす。そのための、原動力となるのが「好奇心」、見知らぬ隣の人はどんな人だろう、と交流し、仲間になる、その大切な原動力が「好奇心」です。二つ目は、ジャングルの木が気候の変化により枯れていく、どんどん木が無くなっていく、「ダメだ」、「もう終わりだ」、と思った時に、「何とかなる」「何とか自分の力で切り抜けて見せる」と思い、行動できる「立ち直る力」です。失敗して、「もうダメだ」、「もういいや」、とあきらめそうになった時も、「負けるものか」、と自分を奮い立たせる大切な力が、遠く遠く果てしない、生きるための旅を続けた我々の祖先にはあった、と思うのです。「勝たなくても、負けない」、落ち込んでも、立ち直る、そんな力がとても大切だということです。最後、三つ目は、地平線の彼方まで新しい生活を求めて歩き続けるためには、希望が必要だということです。「大丈夫だ」と自分に言い聞かせ、草原の動物や木の実、川や海、周囲の様子など、現実や理由を冷静に見極めて、「これなら大丈夫」、「生きていける」と悲観的にならずに、起こるかもしれない最高の結果を見つける力を祖先は持っていました。「根拠のある楽観主義」とも言いますが、現実をしっかり見極め、解決のための具体的な行動へ自分を奮い立たせることができる力、それが最後の三つめの力です。「なぜ?」、と問い続ける「好奇心」、失敗から「立ち直る力」、冷静に現実を見極め、「大丈夫だ」と自分の心に言い聞かせ、自分を奮い立たせる力、この三つの力の大切さを、あの火の神は言いたかったと思い、今日、旅立つ卒業生の皆さんに、改めて、校長として贈りはなむけの言葉とします。思えば、私も、卒業生の皆さんから色々なことを学びました。コロナ対策のため、学校で正常に授業ができなくなった時も、行事が延期や中止を余儀なくされてしまった時も、部活動の試合でも、日頃の何気ない場面でも、どんな時も皆さんの明るく、素直で、前向きな良さが見られました。皆さんの姿に勇気づけられました。本当にありがとう!皆さんの立派な姿は、在校生の手本となったはずです。皆さんに負けないくらい、一二年はこれからも頑張ってくれると思います。卒業生の皆さんの、洋々たるこれからの自分の人生の大切なその時、その時に、「自ら学び」、「共によりよく生きる」ことを目標とする、この布佐中学校で学んだことが活かされ、心身ともに益々健康で、これからの新しい時代に、しっかりと前を向いて、自分の良さを発揮して、自分や家族、仲間、そして社会全体のために活躍してくれることを心から願い、式辞といたします。卒業生の皆さん、ありがとう、お元気で。  令和三年三月十六日
               我孫子市立布佐中学校長 小林浩之」