令和6年度全国学力・学習状況調査結果
令和6年度 全国・学力学習状況調査結果について
<教科に関する調査の結果にみられる特徴と現状分析>
国語 全国平均正答率を「上回っている」
【書くこと】
○目的や意図に応じて、事実と感想、意見とを区別して書くなど、自分の考えが伝わるように書き表し方を工夫することができた児童の割合が高い。
【読むこと】
○登場人物の相互関係や心情などについて、描写を基に捉え、人物像を具体的に想像することができた児童の割合が高い。
【話すこと・聞くこと】
●資料を活用するなどして、自分の考えが伝わるように表現を工夫することに課題が見られた。
【漢字の書き取り】
●熟語(音読み)の書き取りに課題が見られた。(同音の漢字が多い)
※「競技」 → (誤答)「競」が書けなかった児童が多い
【その他】
○漢字の書き取りを除き、無解答率が全国平均と比べて低い。粘り強く課題に取り組むことができている。
算数 全国平均正答率と「ほぼ同程度」
【数と計算】
●問題場面の数量の関係を捉え、式に表すことに課題が見られた。
【図形】
●球の直径の長さと立方体の一辺の長さの関係を捉え、立方体の体積の求め方を式に表すことに課題が見られた。
【変化と関係】
●速さの意味についての理解に課題が見られた。
【データの活用】
●示された情報を基に、表から必要な数値を読み取って式に表し、基準値を超えるかどうかを判断することに課題が見られた。
<指導の改善策>
【国語】
☆国語の時間だけでなく、生活のさまざまな場面や総合的な学習の時間の学習などを通して、情報を収集し、複数の情報から取捨選択をしたり、考えをまとめたりする活動を取り入れていく。
☆資料を活用するなどして、自分の考えが伝わるように表現を工夫することが
できるように指導する。
☆漢字の書き取りは、ドリルなどでその漢字だけを繰り返し練習するだけでなく、文章の中で書かせたり、日常生活の中で意識的に漢字を使わせたりするようにしていく。
【算数】
☆文章題から立式する時、「あわせて、ふえると」などの言葉があれば、「たし算」、「のこりは、すくなくなると」などの言葉があれば、「ひき算」のように決めつけた指導にならないようにする。
☆「速さ」の求め方など、公式をしっかりと指導することは大切であるが、問題場面に合わせて、課題解決の方法を判断したり、説明させたりするような学習に取り組ませていく。
☆ICTの活用とともに、実物を操作するなどの数学的活動も大切に指導していく。
☆算数の時間だけでなく、生活のさまざまな場面や理科・社会などさまざまな教科の学習を通して、データを活用する力を身に付けさせるようにする。また、グラフのどの部分からそのように読み取ったのかを明らかにして、他者にわかるように伝えることができるように指導していく。
<質問紙調査の結果にみられる特徴と現状分析>
〇「自分にはよいところがあると思いますか」という質問に肯定的な回答をした児童の割合は全国の割合とほぼ同じ。
〇「先生は、あなたのよいところを認めてくれていると思いますか」という質問に肯定的な解答をした児童の割合が高い。
〇「自分と違う意見について考えるのは楽しいと思いますか」という質問に肯定的な回答をした児童の割合は、全国の割合より高い。学習や生活の中で対話場面を多く設定し、互いを認め合う指導が充実していると考えられる。
〇放課後の過ごし方で、学習塾等で勉強している児童の割合が全国の割合より高い。
〇●タブレットなどのICT機器を活用すると、「わからない時にすぐ調べられる」「画像等を活用するとわかりやすい」と肯定的な回答をしている児童の割合が全国の割合より高い。一方、「友だちと考えを共有している」「協力しながら学習を進めている」と肯定的な回答をしている児童の割合はやや低い。
●朝食を毎日食べていると回答した児童の割合が全国の割合と比べ、低い。
●将来の夢や目標をもっている児童の割合が低い。
●「学校に行くのは楽しいと思いますか」という質問に肯定的な回答をした児童の割合がやや低い。
●「友達関係に満足していますか」という質問に肯定的な回答をした児童の割合は、全国の割合と比べ、やや低い。
<今後の改善策>
今年度の三小の6年生の児童の特徴として、自己肯定感、自己有用感は比較的高い児童が多い。しかし、友達関係の満足度や学習意欲はやや低い。タブレットなどのICT機器が積極的に活用されているが、個人の調べ学習などの活用が中心で、友達と考えを共有したりするための活用がやや少ない。今後の活用の仕方の課題である。今後も児童が生き生きと活躍できるような場を設定し、一人一人のよさを認め、意図的に伝えていくことが必要である。授業改善・学級経営の充実が求められる。
調査問題等の詳細は以下のPdfのとおり