校長室から

校長室から

令和5年7月20日 1学期終業式 校長式辞 

 今日は3つの話をします。

①1学期の振り返りと夏休みの課題

 1年生の皆さん、中学校生活の始まりはどうだったでしょうか?小学校に比べ、学習内容が難しく、量も多くなって、大変だった人もいたでしょう。担任や教科の先生からこう言われました。「到達度テストを振り返り、教科書やワークを活用して復習するように」。ぜひ、いろいろな勉強の方法を試してみてください。自分は耳から聞く方が理解できるか、文字を読む方が良いのか、文字を書いて覚えるのか、声に出すと入るタイプなのか等、自分に合った学習のや  り方を見つける。それが、入学式で話した「自律」のひとつです。

 2年生は部活動において、多くの部で新チームが始まります。部活動は生徒中心の自治活動です。先ずはどんな部活動を目指すのか、どこに向かうのか、活動目標をみんなで立てることが大切です。それが、部活動における「自律」の第一歩です。我孫中生の良さである「楽しく、一生懸命に取り組む」ところを大切にして欲しいと思います。

 3年生の皆さんは、いよいよ自分の進路に向き合う時がやってきます。「あわてず、あせらず、諦めず」。勉強するに遅すぎるということはありません。高校入学はゴールではなく、どんな高校生活を送るかが大切です。その先に大学や就職があります。今後、知識を増やすだけでなく、学級の一員として何ができるか、委員会や行事において自分が何を為すかも大切です。なぜなら、社会(高校・大学・仕事)は、自分で学ぶ人、自律した人を求めています。面接において、それを相手に話せるような生活、生き方をしてください。

 だからこそ、我孫子中の重点目標は「自律」と「協働」であり、その力を備えることを目指しています。

  さて、夏休みの宿題で、一番大変なのは「自由研究」かもしれません。1学期の間に教科やテーマを決めて計画してきた「探求学習」に取り組みましょう。夏休み明けには学級で発表会を行います。自分が探求したことはあなたが一番詳しい「博士ちゃん」です。自信を持って友達に伝えて欲しいと思います。また、各学級で選ばれた3人は、10月14日の学習参観の時に、他のクラスの人や学年、保護者の皆さんに発表する機会を作ります。優れた発表を見ることは素晴らしい勉強になります。なお、進め方やまとめ方に悩んだ時は、学校に来ている先生達に相談しましょう。

 夏休みにもう一つやって欲しいこと、それは「読書」です。読書は心を豊かにします。主人公の体験を自分が疑似体験して楽しむことができます。これは、人間だけが持っている素晴らしい特殊能力です。そして、自分だったらこうしようと考えることで、自分の感情をコントロールできることに繋がります。

②2学期前半の見通し

 先ず、9月16日(土)に体育祭が行われます。生徒みんなが楽しめる体育祭になることを願っています。

 そして、10月14日(土)のPTAバザーの午前中は「自由研究発表会」、午後はアビ☆フェス(生徒発表会)です。皆さんの趣味や特技を披露し、個性を発揮して我孫子中にエネルギーと楽しさを与えることを期待しています。昨年度は女子のダンスが多かったのですが、男子の出演に期待しています。2学期に入ったらすぐに、出演者と運営スタッフを受け付けます。運営も自分達の手で行う所が大きな特徴、やりがいです。夏休み中に仲間を集めたり、練習したり、お家の人を説得したりしてください。質問や相談がある場合は、校長室まで来てください。

③部活動へのエール 

 去る6月30日の部活動壮行会では、特に3年生を全校で応援しました。大会会場に応援に行くと、我孫子中の選手が全力で、真剣に競技する姿が見られ、感動しました。県大会出場を決めた選手やチームもあれば、引退が決まった3年生もいます。しばらく休んで考えて、次のステージ、高校で何かに熱中して頑張って欲しいと思います。

 これから本番を迎える部活動もあります。野球やバスケットボールの大会、合唱部や吹奏楽部のコンクール、パソコン部や演劇部の発表会、科学部の科学作品展と続きます。活躍を期待しています。

 それでは、明日からの夏休み、交通安全や水の事故などに注意して充実した42日間にしてください。

令和5年7月3日 1学期末保護者会 全体会 校長の話

 本日は、学期末保護者会への出席、ありがとうございます。

 また、日頃より本校教育活動へのご理解・ご協力に感謝いたします。

 早いもので、1学期もあと2週間あまりになりました。3年生にとって部活動の集大成である大会やコンクール、発表会、作品展などが迫っています。ぜひ、日頃の活動の成果を十分に発揮することを期待しています。

 

 学習面では、6月に行われた到達度テストを振り返り、夏休みに復習を行って2学期に備えて欲しいという話がこの後の学級懇談会であると思います。また、昨年度まで理科の自由研究を夏休みの課題としていましたが、今年度から理科だけでなく全教科に拡大します。自分で教科を選び、課題を決め、検証して、まとめる。9月当初には各学級で発表会を行います。これは「探求学習」と言われるもので、1学期の間に授業の発展や調べてみたいことを探しながら計画を立ててきました。教科もテーマも伝え方も自己決定、「自律」の力を育てたいと考えます。もちろん、教員も助言しますし、友達にアドバイスをもらう等、「協働」の力を発揮して欲しいと思います。

 

 さて、3年間続いた感染症への対応が変わり、通常の教育活動ができるようになってきました。5月には2年生の「自然体験学習」、6月には3年生の「古都体験学習」が2泊3日で実施されました。どちらも天候に恵まれて計画通りに進み、大きなけがや病気等が無かったことは、本当に喜ばしいことでした。1年生の郊外学習でも一緒に歩き、私が一番感じたのは、やはり我孫中生の優しさです。これは、本校の宝です。優しい気持ちが根底にあることで、学習も友達関係も部活動もお互いに協力したり、励まし合ったりすることができます。それを十分に生かして、子供達が持つ資質・能力を伸ばすことができるかどうかは、私たち教師の指導力にかかっています。そのために、我々教師は、常に授業改善と生徒理解に努め、研修することが義務付けられています。

 しかし、ここで大きな課題があります。中学校教師の長時間労働問題です。これは、教師の心身の健康だけでなく、子供たちにも大きな影響を与えます。疲れた顔の先生、イライラした先生に教わっても楽しくありません。教材研究する時間的余裕がなければ、授業を改善しようがありません。そこで、学校の働き方改革については着実に実行して参ります。部活動についても、6月に我孫子市のガイドラインが改定され、活動時間が短くなりました。これで運動部が弱くなってしまう、ではなく、工夫するチャンスと捉え、生徒達が自治活動としてより主体的に取組む等、多くの学びを得る機会としていきたいと考えます。教師に余裕ができた時間は、授業改善等、教育の質を向上すること、生徒の表情に気づく心の余裕等、生徒指導を充実させていきたいと考えますので、保護者の皆様のご理解をお願いします。

 

 もう一つ話します。

 学校でのいじめや差別は絶対にゆるされません。しかし、毎日の学校生活を送る中で、友達とぶつかったり、嫌な思いをしたりすることはあるでしょう。他人と生活するのですから当然とも言えます。また、教師との関係が上手くいかなることもあるでしょう。その時は、「嫌だ」という気持ちをその場で伝えたり、すぐに教師等に相談するようにしていくこと、その後は対話により解決の道を探ることが重要だと考えています。生徒間の問題は生徒同士で、学校内のことは学校で、その問題の大小に応じて教師が関わっていくことが大切です。

 もちろん、子供達がお家の人に相談したり、不満や愚痴を言ったりすること、そのような親子関係があることはとても良いことです。もし、「私の方もこんなことをしたのが悪いんだけど」という子がいたら、自分を客観的に見ることができるたいへん立派な子です。お家の方は、まずは共感しつつ、「じゃあ、担任の先生にこう聞いてみたら」、「顧問の先生はこう言いたかったんじゃないの」、「お友達は何て言ってるの?」等、アドバイスをしてもらえると助かります。学校で起きたことは、当事者同士が対話しなければ解決には至りません。それでも、学校の対応や教師の指導、発言の意図がわからない場合は、直接学校に連絡をお願いします。そんな連絡をすると、「うちの子が特別に見られて不利になる」と心配される保護者の方がいますが、全くそんなことはありません。そこは、学校を、教師を信じてください。  

 「直接、学級担任や顧問に」が難しければ、学年主任や教務主任、生徒指導主任、養護教諭、心の相談員、スクールカウンセラー、教頭、校長でも結構です。もし、学校側に落ち度がある場合、私共は誠意を込めて謝ります。生徒にも、自分が悪いなら謝るように指導しているので当然のことです。教師も成長過程の人間です。判断を間違えることや至らないこと、配慮が足りないこともあるでしょう。しかし、反省し、次に生かし、教師としての成長につなげることはお約束します。

 今後とも、ご理解・ご協力をお願いします。

令和5年6月30日 部活動壮行会 校長の話 

 3年生の決意がよく伝わってきました。私も他の先生たちも、下級生の皆も、特に3年生に目指す目標を達成して欲しいという願いは一緒です。  

 1・2年生もいるので、私の思いを聞いてください。

 よく球技では、試合の中にハーフタイムやイニングの間があります。みんなは顧問の前に集まってきて、作戦について確認したりします。まずは自分が、自分達が感じたことを話して、何が課題か、どう対策するか、対話をして欲しい。顧問からのアドバイスはその後だと思います。試合を行っているのは皆さんです。相手のプレーや審判の特長等、 選手だからこそ感じられる「感性」を働かせてください。また、試合に出ていない人達は、客観的に気付いたことをアドバイスしてください。それがチーム全体で戦うということです。

 あの5番は今日スリーポイント当たってるから誰々が早めにチェックに行けとか、ピッチャーは高めで誘ってくるからそれに手を出さないとか、今日の審判はドリブルをとるから気をつけようとか。相手チームはこの作戦で来ているから、こうゆう対策をしようとか。自分達で対話をして、その他に何かあったら顧問から生徒だけでは気が付かない観点でアドバイスをもらいます。

 1・2年生、新チームになった頃は練習や試合でも顧問の先生からいろいろ細かく教えてもらうけれど、いつまでも教えられてばかり、指示を受けるばかりから段々と脱却してください。対話ができるチームは間違いなく強くなります。市のガイドラインの変更に伴い、部活動時間が減ってきている現在、強いチームを作る一つのヒントです。

 3年生にとっては、今さら言われても、という人もいるかもしれませんが、あと数週間でも、明日の練習試合から、今日の練習・活動から心掛けてください。これは球技でなくても、運動部でなくても同じことです。感じたことを話す、そしてみんなで対話する。それが部活動で学ぶべき最も大切なことの一つです。

 スポーツ、音楽や演劇、科学、コンピュータ等は、一生の趣味になります。活動を通じて多くの友達をつくることもできて、人生をより豊かにします。大会で負けることや引退は、ひとつの区切りに過ぎず、高校や大人になっても、興味をもったものに取り組んで欲しいと思います。そして、感じたことを話す、みんなと対話する。中学校の部活動は、一生涯にわたるスポーツや音楽等文化活動との長い付き合いの始まりです。  

 とは言え、今の仲間や顧問の先生と一緒に活動できるのはあとわずかです。友達や顧問の先生がいなかったら、活動はできませんでした。お互いに感謝です。残された時間を大切に楽しんでください。    

令和5年4月6日 1学期始業式 校長の話 「3つの気持ち」 

 いよいよ今日から新年度、令和5年度が始まりました。2年生・3年生の皆さん、進級おめでとうございます。2年生は、1年生が入学すると先輩になります。1年前のことを思い出し、いろいろなことを優しく教えてあげてください。3年生は最上級生になりました。学校行事や部活動をリードして、我孫子中学校の顔となっていきます。大いに期待しています。2・3年生とも、この後に新クラス編成が発表されます。ドキドキしていると思いますが、その前に私の話を聞いてください。

  さて、私からは、今年1年間心に留めて、心掛けてほしい「3つの気持ち」について話します。この3つを心掛けることで、友達関係がより良くなったり、自分を成長させたりすることにつながります。

 まず、一つ目は「違いを認める」ということです。ここまで聞いて、去年と同じ話だと思った3年生いますか?ご い!よく覚えていますね。そう、1年前と同じ話をします。大切なことだから再び話します。2年生は1年前の始業式に出ていないから、この話は初めてです。

 一つ目は「違いを認める」。人はそれぞれ違う気持ちや考えを持っています。当然、自分と意見が合わない人がいます。それは、当たり前のことととらえましょう。そこで「対話」が必要になります。対話することでお互いの違いや立場を理解し、考えが変わったり、もっと良い考えを生み出したりすることができます。

  二つ目は、「広い心で接する」ということです。具体的には、他の人の欠点を責め立てないこと、謝った人を許しましょう、ということです。誰だって失敗をします。やろうとしてもできないこともあります。また、時には悪いことをする人もいるかもしれません。しかし、心からの「ごめんなさい」があったら、許しましょう。逆に、悪いことをしたら素直に謝りましょう。 

 三つ目は、「自分事として取り組む」ということです。難しい言葉で「主体性」と言います。自分には関係ないと思わず、行動するということです。自分の部活に課題はありませんか。これから始まる新しい学級で問題が見つかるかもしれません。いや、きっと問題は起こるでしょう。先生がなんとかしてくれる、ではなく、自分達で課題に気づき、改善しようとすることは学校で学ぶ大切な学習です。友達関係のいざこざも相手のせいにせず、自分達で解決しようとも大人になる上で大切な学びです。

 ここまでは、去年と同じです。ここから先があります。

問題が起きて困ってしまう時、子供でも大人でも次の4つの行動パターンを起こします。

   ①我慢する  ②気分転換する ③問題を解決しようとする ④人に相談する 

皆さんはどれが良いと思いますか?訊きますから手を挙げてください。何回挙げても結構です。

実はどれも正解です。

①我慢する…そういう時もありますね。小さい問題の時や言ってもしょうがない時。でも、小さい我慢も積み重なると大きなストレスになります。②気分転換する…体を動かして汗をかいたり、音楽を聴いたりして気が紛れますね。でも、問題が解決したわけじゃないんです。だから、本格的に解決を目指すなら③と④の組み合わせです。

 自分一人で解決できそうなものは、どんな順番でどんなやり方でやるか考えて解決を図ります。しかし、それで解決できなかったり、はじめから自分一人では解決できそうになかったりする時は人に相談しましょう。人に訊くことは恥ずかしいことではありません。私はすぐに教頭先生や他の先生に相談します。すると、良いアドバイスをもらえたり、私には考え付かなかったアイデアをもらえたりします。パッと、視界が明るく開ける感じがします。

 皆さんは誰に相談しますか? 家族ですか?隣の友達のも相談できます。そして、周りに立っている多くの先生に相談してください担任の先生でなくてもいいんです。副担任の先生、隣のクラスの先生、部活顧問の先生、相談室の山本先生、保健室の先生や教頭先生、もちろん私でも構いません。皆さんより少し長く生きていて、いろいろな経験をしているので、アドバイスはできると思います。それで、問題解決への道筋が見えたら、とても良いことだと思います。ただし、解決に向けて行動するのはあなた自身です自分で、自分達で最終解決しなければなりません。それも、「自分事として取り組む」ということです。

  「違いを認める」「広い心で接する」「自分事として取り組む」。これから1年間、この3つについて、心にとめて生活して欲しいと思います。

修了式

今、代表生徒に修了証書を渡しました。

  

それぞれ、1年間の学習を修めたことを証します。これで、1年生は2年生へ、2年生は3年生に進級できます。おめでどうございます。

 

さて、明日からの春休み、各学年、ワークなどの課題が出ています。理解しているかチェックして、できなかった問題をできるようにしてから新年度を迎えて欲しいと思います。

私の本音を言います。宿題ややり残しの課題はなるべく無しにしたいと思っています。しかし、家庭学習をしなくて良いということではありません。自分で考えて、自分のやり方で必要な家庭学習を行うように「自律して欲しい」と思っています。宿題をこなしているだけでは、残念ながら、学力はあまり伸びないことが多いからです。

 

さて、今日の修了式で、二つの話をします。一つ目。

3月10日、卒業式予行の日を思い出してください。次の日が、東日本大震災から12年になるということで、地震や津波で亡くなった多くの方の御霊に黙とうを捧げました。翌3月11日にはWBC侍ジャパンの試合があり、「佐々木朗希(ろうき)」投手が好投して勝利しました。実は、佐々木選手は12年前の津波で父親と祖父母を亡くしています。その命日に、日本代表としてマウンドに登ったことは偶然でしょうか?佐々木選手は3年前の新型コロナ感染拡大による全国の学校の休校中に、新聞を通じて子供達にメッセージを送っています。読みます。『休校中の君へ』

 「やることがない、与えられることがない時に、自分で考えてやることが求められる。すごく良い機会になる。その時の方が、野球も勉強も伸びる。」

佐々木選手は、小学校3年生の時に東日本大震災で学校が閉鎖されて、しばらく勉強ができなかったり、大好きな野球ができなかった経験をしています。高校は甲子園を狙うような強豪校からの誘いを全部断り、練習時間が短い地元の高校を選び、自分で考えて工夫して練習をしました。それらの経験が、昨年、史上最年少20歳にして完全試合を達成し、3日前のWBC準決勝メキシコでも好投、いずれはアメリカメジャーリーグでの活躍が期待されるような成長に繋がったのかもしれません。メッセージの一部を変えて、もう一度皆さんに伝えます。『我孫子中生へ』

「与えられない時こそ、自分で考えてやることが求められる。その方が、スポーツも勉強も伸びる。」

明日からの春休みです。皆さんが自分で考えて、自主的に学習したり、部活動をしたり、読書をしたり、お家の手伝いをしたりすることを期待しています。

   

二つ目の話です。

4月から、本校の「個別支援学級」の名前が、『つつじ学級』に変わります。つつじは我孫子市の花であり、本校の356号線沿いにもピンクの花をつけ、通学・通勤の方の目を楽しませています。つつじの花言葉には、「努力」や「節度」といった意味があります。我孫子中にピッタリです。

なお、「いずみ学級」の名称はそのままで変わりません。泉が湧き出るオアシスのような居心地の良いクラスを目指す、という意味があります。私は、いずみ学級だけでなく、すべての教室が、泉が湧き出るオアシスのような、誰もが過ごしやすいクラスになって欲しいと願っています。

それでは、4月6日に元気な挨拶、明るい笑顔で会いましょう。