校長ブログ No161シリーズ「夏休み明けの子ども」③それって人見知り?
過去ブログで私の体験談を記載したように、夏休み明けの久しぶりの登校に緊張したり不安を感じたりする子供は結構な割合でいるようです。8月下旬の読売新聞でも同様の悩みについて取り上げた記事がありました。
生後半年から3歳くらいに見られる発達過程におけるある時期に限った「人見知り」とは異なり、「学童期になると発達とは関係なく、性格や個性としての人見知りが見られるようになる。」(白梅学園大(臨床心理学)増田修治氏)「必ずしも人見知りや引っ込み思案が悪いわけではない。慎重で注意深い気質の裏返しでもある。」ので心配しすぎないでという。今、在学する小学3年生~6年生はコロナ禍の影響を大きく受けています。(特に2019年・2020年に入学した5・6年生は、今後コロナ禍の影響がどう出てくるかは未知です。)大人でさえ、人混みの中へ行く必要がなく、対面の必要がないリモートはある意味気楽です。「今の小学生はコロナ禍のリモート授業で友達づくりなどの経験がしづらかった。友達や知らない人と関わる場を意識的に作り、自信を持たせながら社会性を養う手助けをすることも大切だ」といいます。
▼学期はじめは人間関係づくりから
本校は小規模校であるため、入学前から卒業まで学年1学級(単学級)で固定化された人間関係が続きます。担任も学級経営にあたり、多様な人間性との「ふれあい」の機会をどのように取り入れながら学級の人間関係づくりを育んでいくか日々、試行錯誤しながらこどもたちのためにベストを尽くしています。先週1週間、子供たちの学級での様子や担任や教頭、教務主任、養護教諭といつものように情報を共有しました。
▼図書室には子供向けの人間関係の築き方に関する本も置いてあります。
また、『子供を育てる7つの原則』の著者である教育評論家の石田勝巳氏は次のように述べています。「夏休みなど長期休み明けは、要注意の時期。集団が苦手な子にとっては、家庭から外に出ることに心理的な壁を感じ、通学を渋ることがある。」次のような方策が効果的だといいます。一定のリハビリ期間を設けて、親が子供と一緒にやること。(例:始業式が始まる前の1週間でリズムをつくる。1時間目が始まる時間から勉強したり、給食にあたる時間に昼食を食べたりするなどして心身を慣らす。文房具や衣服など学校に必要なものを一緒に準備するなど。そのときに子供が使いたくなるようなものだとなおよい。登下校が同じ友達と会う機会を作るなど。)避けたいことは「みんなと仲良くしなさい」と子供に強く求めるような言動。子供一人一人のペースを大切にしたいものです。様々な人と適切な距離の置き方を学べる機会であり、友達が少なくても悪いことではないことも伝えたいです。」