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校長ブログNo15 夏も近づく八十八夜

♪ 夏も近づく八十八夜(はちじゅうはちや) 野にも山にも若葉が茂る あれに見えるは茶摘みじゃないか 茜(あかね)だすきに菅の笠(すげのかさ) (文部省唱歌「茶摘み」より)

風薫る5月に入りました。雨で始まった5月1日ですが、ゴールデンウィークは晴天が続き、気温もぐんぐん上がるようです。5月は漢字で書くと「五月」=「ごがつ」のほかに「さつき」とも読みます。さつきは「皐月」と書き「早苗月(さなえづき)」を略したものとも言われます。苗代で育った稲の苗を植える月という意味だそうです。

さて、5月1日は立春(2月4日)から数えて88日目にあたります。先日紹介した七十二候の「霜止出苗 (しもやみてなえいずる)」(4/25~4/29)を過ぎ、だんだん暖かくなり、霜が降りなくなり、苗が健やかに育つ頃です。種もみが芽吹きすくすく伸びるこの時期、田植えの光景をよく見かけるようになりました。農家の方たちはこの日を目安に苗代づくりや種もみおろしなどの農作業を行うそうです。

八十八の文字をよく見て見ましょう。組み合わせると「米」になります。漢字の「八」は末広がりと言われ縁起がいい数字です。茶摘みの最盛期でもあり、八十八夜(5月2日前後)に摘み取られたお茶は良質で長生きする縁起物といわれています。

お茶の産地というとみなさんどんなところが思い浮かびますか?静岡、狭山(埼玉)、宇治(京都)などなどありますが、実は 千葉県にもお茶の産地があります。江戸時代の佐倉藩にちなむ「佐倉茶」「八街茶」などです。佐倉藩の重臣、倉次亨(くらなみ・とおる)氏(1829~1905)が明治時代になり廃藩置県で佐倉藩がなくなってしまうと旧藩士のために佐倉に産業を興そうと製茶業に着手し、かつては静岡県に次ぐ茶の産地にまでなったそうです。しかしその後、落花生栽培に移り変わり今では生産量も減ってしまいました。しかし現在でも茶畑が見られるところがあります。JR総武本線・八街駅を成東方面へ出発すると、次の日向駅(山武市)までの間、左手に広大な茶畑が車窓から見られます。ぜひ近くを通るときは気にかけてみてください。なだらかな斜面に若草色の新芽が映えとても気持ちのよい景色が見えることでしょう。新茶の季節、気持ちもゆったりとおいしいお茶を味わいたいですね。

最近では4月28日のテレビ番組でも紹介されていました。

https://www.fujitv.co.jp/chiba_okurimono/archives/240428.html