校長ブログNo167-1 中秋の名月
名月や 池をめぐりて 夜もすがら 松尾芭蕉
今宵は中秋の名月です。横芝光の月の出は17時21分 月の入は3時51分です。日の入りは17時43分です。月は東に日は西に。日没頃からたっぷりと名月を愛でることができそうですね。
中秋の名月は、旧暦八月十五日の夜の月のことをいいます。旧暦は7・8・9月(現在の8・9・10月)になり、それぞれ初秋・中秋・晩秋と呼ばれることからです。また、別名「いも名月」とも呼ばれます。サトイモやサツマイモの収穫時期にあたるからです。収穫への感謝と豊作祈願の意味も込められており、地域によっては団子の代わりにサトイモなどの収穫物を供える風習を残す地域も多く存在するそうです。昨日は久しぶりに雨が降りましたが、今日の予報は晴れの確率が高まり、今宵は美しい名月を期待できそうです。
月の形はほぼまん丸で一見、満月かのように見えますが、厳密に月齢(15.0)でいうと明日9月18日(水)が満月とのことです。(昨年までの3年間、中秋の名月と満月が同じ日でしたが、必ずしも中秋の名月と満月が同じ日だとは限らないのです。次に同じ日になるのは6年後の2030年とのことです。)まあそんな細かい理屈は抜きにして名月を愛でましょう!!
十五夜で思い起こすのは、童話「ごんぎつね」のお気に入りの情景描写です。第4学年国語科教科書(下巻)(光村図書)掲載の物語「ごんぎつね」(新美南吉・作 あべ弘士・絵)。このブログをお読みになられている方も小学生の頃または絵本などでお読みになられたことがあるのではないのでしょうか。
月のいいばんでした。ごんは、ぶらぶら遊びに出かけました。中山様のお城の下を通って、少し行くと、細い道の向こうから、だれか来るようです。話し声が聞こえます。チンチロリン、チンチロリンと、松虫が鳴いています。ごんは、道のかたがわにかくれてじっとしていました。話し声は、だんだん近くになりました。(第4場面冒頭部分を引用)
この作品「権狐(ごんぎつね)」は、新美南吉が17歳で執筆し、翌年1931(昭和6年)18歳のときに雑誌「赤い鳥」1月号に掲載されました。彼が幼少のころに聞かされた口頭による伝承をもとに創作されたといい、 4歳で母を亡くした南吉にとり、孤独でいたずら好きな狐の話が深く影響を与えたとされています。