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校長ブログNo132‐2 オリンピックと平和への祈り

17日間にわたる「パリ2024夏季オリンピック大会」(世界206か国と地域から約1万5千人の選手が32競技329種目に参加)が閉幕。終わってしまいましたね。みなさんはどのように楽しまれましたか?推しの選手はいましたか?私はなかなか見る時間がなく、スポーツニュースでダイジェストで観たり、選手の生い立ちを特集している番組を観たりすることの方が多かったです。

日本のメダル獲得数45個(前大会の58個に次ぎ、海外の大会では最も多いメダル数。)開会後すぐメダルラッシュ。そして最後の数日間でまたもやメダルラッシュ。メダルだけでなく、日々練習し努力し続けることは、とてもたいへんだったんだろうな。オリンピックの舞台で日本代表選手一人一人が「あきらめない」で挑戦・活躍する姿はとてもすばらしかったです。特に、「体操競技」は、課外活動の「体操部」児童にとって、あこがれであり大きな刺激になったのではと思いました。

「Games Wide Open(広く開かれた大会)」をコンセプトとし、「SDGs」「多様性」「大逆転」「あきらめない」などの言葉が心に残りました。また、中学生の若い選手から「初老ジャパン」のベテラン選手までの活躍、けがや病気を克服して挑んだ選手の活躍、新種目から伝統的な種目まで、多様な見方で観戦でき、感動を与えてくれた大会でした。一方で、SNS上の誹謗中傷は大きな社会問題であり、たいへん残念でした。

今大会の最大の特徴である、男女の選手数が同数(5250人)になったことも新しい時代を感じました。近代オリンピックが始まり、128年かかってようやく実現したことは、容易ではなかったことがうかがえます。混合種目がさまざまな競技で見られたことも新鮮で感動でした。

ロシアのウクライナ侵略や、パレスチナ自治区ガザへのイスラエルの攻撃が続く状況下で開催された今大会。オリンピックは本当に「平和の祭典」となり得るのか、理想と現実は難しいなと改めて感じました。 

日が経ってしまいましたが、8月9日「長崎平和祈念式典」での長崎市長による「平和宣言」の最後の部分を紹介します。(8月6日「平和への誓い」は過去ブログで全文紹介)

冒頭では、23歳で被爆し52歳で亡くなった長崎出身の詩人・福田須磨子さんの詩「原爆を作る人々に」を引用していました。

「世界中の皆さん、私たちは、地球という大きな一つのまちに住む「地球市民」です。想像してください。今、世界で起こっているような紛争が激化し、核戦争が勃発するとどうなるのでしょうか。人命はもちろんのこと、地球環境にも壊滅的な打撃を与え、人類は存亡の危機にさらされてしまいます。だからこそ、核兵器廃絶は、国際社会が目指す持続可能な開発目標(SDGs)の前提ともいえる「人類が生き残るための絶対条件」なのです。(中略)平和をつくる人々よ!一人ひとりは微力であっても、無力ではありません。私たち地球市民が声を上げ、力を合わせれば、今の難局を乗り越えることができる。国境や宗教、人種、性別、世代などの違いを超えて知恵を出し合い、つながり合えば、私たちは思い描く未来を実現することができる。長崎は、そう強く信じています。」(令和6年8月9日 長崎市長による「平和宣言」より一部引用して転載)

「多様性」を理解し受け入れることが「平和」への実現のはじまりです。SNS上における誹謗中傷は「いじめ」であり、「戦争」となんら変わりません。一人一人ものの見方、感じ方、受け入れ方を尊重し、人とつながることが大事であることを感じたオリンピックでした。

パリ2024パラリンピック大会は8月28日開幕~9月8日閉幕予定。185か国地域の参加。22競技549種目。