本日より定期テスト+2月24日朝日新聞 天声人語より
2月24日 天声人語
顔を洗ってテレビをつけ、コーヒーを飲む。朝のふるまいは決まっているという方も多かろう。14歳のカーチャさんは、焼き立てのパンを買いに行くのが毎朝の日課だった。その日、花で飾られた家々が道すがら見えた。
平穏は突如やぶられる。「途中であった友達が『戦争が始まったのよ』と教えてくれました」。ウクライナ生まれのスベトラーナ・アレクシエービッチさんは『ボタン穴から見た戦争』で1941年の開戦をそう描く。ドイツに侵攻された旧ソ連の子供たちの証言を集めた。カーチャさんがご存命なら、生まれ育った街の名を冠した「ミンスク合意」の破棄に何を思うだろう。ロシアのプーチン大統領が、ウクライナ東部への派兵を指示した。力づくで他国の領土を侵す愚が繰り返されるとき、犠牲になるのはいつも小さきものだ。
数日前のウクライナ東部を伝えるルポが本誌にあった。ベニヤ板で窓が目張りされた街で、11歳のリアラさんは「少し不安。学校では『パニックにならないように』って言われた」と語る。リアラさんが変わらぬ朝を迎えられるように祈りたい。
谷川俊太郎さんの詩を引く
カムチャッカの若者が きりんの夢を見ているとき メキシコの娘は 朝もやの中でバスを待っている・・・・・
ぼくらは朝をリレーするのだ 経度から経度へと そうしていわば交替で地球を守る
平和な日常というバトンを渡し続けることは容易ではない。それでもリレーを途絶えさせるわけにはいかない。
ちょっと考えましょう・・・。
考えろ 考えよう 考える 今を 自分を 自分たちを 家族を