日誌

6年生 地球温暖化の授業

6年生は総合的な学習の時間で再生可能エネルギーについて1年間、探究学習を進めていきます。

学習のとりかかりとして、金曜日に校長から2時間の授業を行いました。

 

探究学習を進めていく上で、まずはそもそもなぜ再生可能エネルギーなのかというところを押さえておく必要があります。

ご存じのように現代は気候危機と言われ、地球平均気温の上昇は留まることがありません。

これはアメリカのバークレー・アースという気象観測機関が出している月ごとの地球平均気温のグラフ。

ご覧になればわかると思いますが、地球平均気温は2023年から突出した状態となっており、いよいよ温暖化の暴走が始まったともいえる状況です。

( 出典 「2024年の地球気温レポート」Berkeley Earth  ) 

 

子供たちには、温暖化の現状についてまず話をしました。

 

温暖化の原因は言わずもがな温室効果ガスの増加によるものです。

温室効果ガスには、9割を占める二酸化炭素(炭酸ガス)のほかにも、メタンガス、一酸化二窒素などもあります。

では、二酸化炭素を多く出しているのはどこでしょうか。

実は4割がエネルギー変換部門、発電分野なのです。

日本の発電は火力発電が主力です。火力発電の燃料は、天然ガスと石炭です。

なんとコストの安い石炭がまだ使われているのです。

そういえば私の小学生の時の教室のダルマストーブは石炭でした。シャベルで油に浸した石炭をストーブの中に入れるのが朝の日直の仕事でした。

天然ガスや石炭を燃やして水蒸気を発生させ、タービンを回して発電します。

つまり、燃やしているときに二酸化炭素が出るのです。

 

発電以外にも、ガスを使用すること(家庭部門)、ガソリンを使用すること(運輸部門)でも二酸化炭素は排出されます。

では、私たちの生活で、どんな場面で二酸化炭素を出しているでしょう。

ランダムな場面のカードを提示して、考えてもらいました。

 

 

例えば夜に勉強する・・・部屋やスタンドの電気を使います。

牛乳を飲む・・・乳を搾る、運ぶ、冷蔵する、電気を使います。

給食を食べる・・・食材の保管に電気、調理にガス、運搬にガソリン(軽油)を使います。

ドライヤー・・・電気を使います。

便座・・・暖房便座やシャワーで電気を使います。

といった具合に、実はすべての生活場面で私たちは二酸化炭素を排出しています。

電気漬けの生活と言ってもいいでしょう。

だからこそ、環境負荷をかけない電気を作る必要があるのです。

 

という話とワークショップを2時間行いました。

子供たちの感想を一部紹介します。

★この問題にこれからどのように向き合っていくのか、向き合っていけるのかを学びたいと思います。

★私たちは後の世代の人だから、何の対策をするのかを考えていった方がいい。

★思っているより地球温暖化が進んでいてびっくりしました。対策をするには、怖さをみんなに知ってもらうことだと思いました。

★グレタ・ツゥーンベリさんが、もう時間がないことを大人よりも必死に訴えていて、とても大変になっていると思った。

★気温の高さは、遠い未来というわけではなく、今も徐々に上がっているのが自分事として怖いと思いました。

★(温暖化によって)たくさんの動物が絶滅してしまい、最終的には人類も・・・?ということになってしまう。今の地球の現状は極めてヤバイ。

子供たちには、かなりショッキングで、まずいという思いを抱いてくれたようです。

この情動(モチベーション)こそが学習を進め、社会を変えるスタートです。

想いを持ち続けて学んでいきましょう、みなさん。

 

そして、焦っても何も変わりません。

具体的に、どう変えていくのか、それをある種科学的に、そして社会的に、私たちはどう生きていくのが良いのか、それを考えることを積み重ねる探究学習を進めていくより他ありません。

6年間の学びの集大成です。