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第50回 卒業式

 

卒業を惜しむ春の涙雨のもと、第50回 卒業式 が行われました。

卒業生たちは、堂々とした態度で逞しく力強く「門出の言葉」を語り、

サプライズであった「つばめ」(学習発表会で合唱した6年生には思い出深い歌)のピアノ生演奏で退場する際には、こらえきれず涙する胸を打つ場面もありました。

6年生、出会いをありがとう。1年間、最上級生としてご苦労様でした。君たちは立派でした。

 

外での送り出しはできませんでしたが、校舎内で祝福です。

 

 

 

式 辞

桜が丘公園から樹々を抜けて吹いてくる風が、日に日に春の暖かさと香りを濃くしていっています。その風は、皆さんの卒業という季節も一緒に運んできてくれました。

今日は、卒業式です。

本日は、多摩市立連光寺小学校 第50回卒業式に際し、多摩市教育委員会 教育指導課 指導主事様、多摩市立聖ヶ丘中学校長様をはじめとして、本校の教育活動を温かく見守り、支えてくださったご来賓の皆様に、ご多用の中、ご臨席賜りました。厚く御礼申し上げます。ありがとうございます。

保護者の皆様。お子様のご卒業、おめでとうございます。6年前のうららかな春の入学式に手をつないで門をくぐったことや、数々の行事や出来事、小学校生活の今日までの記憶が蘇り、その成長の足跡に、お慶びもひとしおかとご推察いたします。6年間にわたる、本校の教育活動への変わらぬご支援に、改めて感謝申し上げます。誠にありがとうございました。

さて、50名の卒業生の皆さん。改めて、ご卒業おめでとうございます。

先ほど、皆さんは卒業証書を手渡され、小学校の全過程を修了することになりました。小学校生活のたくさんの思い出とともに、4月からの新しいステップへの希望に胸を膨らませていることでしょう。

手にしている卒業証書には、小学校生活で仲間と成長していった、皆さんの汗や涙、そして、これまでみなさんを励まし支えてくださったご家族、地域の方々、先生たちの熱い思いが込められています。そのことに思いを馳せ、どうか、かみしめてください。たくさんの方々の温かいまなざしのもとに成長できた、幸せの証。それが卒業証書なのです。

みなさんの門出を祝し、私の願いを、お話しさせてください。

小学校生活の中でも、特に色濃く鮮明であったであろう今年の一年間。みなさんは、協力という文字そのものの活動を繰り返し行ってきました。

運動会での表現活動「私たちが願う未来」。

「みんなで協力してSmileとHappyが溢れる最高な三日間にしよう!」のスローガンのもと仲間と共に過ごした八ヶ岳移動教室。

世界に視野を広げ、抱える課題に対してどう生きていくのかを考え、発信した学習発表会「もし世界が50人の村だったら~SDGsと共に考える私たちの未来~」。

総合的な学習の時間に取り組んだ、再生可能エネルギーでの発電と、その電気で未来への希望をイルミネーションに灯した「エコデカエル未来」。

そして正月明けすぐに自発的に取り組んだ「能登半島地震募金活動」。

もちろん、大きな行事だけではなく、委員会活動や教室でのふとした日常の生活の中でも、皆さんは50人で手を取り合って階段を上ってきました。

人間の能力は万能ではありません。人それぞれに得手・不得手があり、社会活動、つまりこの世の中を創り進めていくには、それぞれが得意な能力を生かしてジグゾーパズルのように協力していくことが欠かせません。皆さんの今年の活動は、まさにそれを体現するものだったと感じています。

それは、隣にいる友人のためであり、クラスの仲間のためであり、全校生徒のためであり、地域のためであり、時には日本や世界を見据えての活動でした。

そんな皆さんは、本当に素晴らしかった。

環境問題を筆頭とする様々な世界の課題。時に暗く、重くなりがちな未来という扉を、スクラムを組み笑顔で押し開けていくように映りました。

ノートルダム清心女子大学の名誉学長であった渡辺和子さんが、こんな言葉を残されています。

「置かれた場所で咲きなさい」

今属している集団や組織の中での自分の役割といった解釈を、もっと視野を広げて言葉の意味をくみ取ってみましょう。

隣人と共にある時、クラスにある時、学校にある時、地域にある時、日本にある時、世界にある時。そんな視野で、自分がどう役に立てるのか。自分にできることは何なのか。それこそが、あなたがこれから生きていく意味、生まれてきた意味につながっていくというように捉えることができると思います。そこには、皆さんが実践してきた人との協力は欠かせません。

小学校生活で、皆さんはそのスタートを切ることができました。皆さんが、この世界という素晴らしい舞台で、手を伸ばし、携え、繋いでいくことで、置かれた場所で花開くことを願っています。

その先には、仲間で変える未来、地域で変える未来、日本で変える未来、エコデカエル未来があることを信じて。

旅立ちの時がやってきました。この連光寺小学校で学んだことを、授かった思いを、周りに、世界に、広げていってください。

君たちとならば、未来を変えられる。

私は、先生たちは、そう信じています。

皆さんと共にある未来が、希望にあふれることを祈念して、はなむけの言葉といたします。

ご卒業おめでとうございます。

  令和六年三月二十五日  多摩市立連光寺小学校長