令和6年度 学 校 経 営 方 針
流山市立南流山中学校
校長 宮本 信一
1. 学校教育目標
笑顔・信頼・自立
「自分の考えに自信をもち、他を思いやりながら自己実現できる生徒の育成」
~知・徳・体の調和のとれた、心身共に逞しい生徒~
南流山中学校は地域の方々から支えられている学校です。そして、中学校には、子ども達を自立させ社会で貢献できる人に育てるために、日常の教育活動を通して生きる力を育み、自己実現を図っていくという使命があります。
よって、本校も学習指導要領の「知識・技能」(何を理解しているか、何ができるか)、「思考力・判断力・表現力等」(理解していること・できることをどう使うか)、「学びに向かう力・人間性等」(どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか)の3つを柱として、変化の激しい現代社会を生き抜くために必要な資質・能力を育成する必要があります。
また、本校では生徒自身がスローガンとして掲げた「あったか宣言」の実践を通して人権意識を身に付けさせたいと思います。互いの違いを理解し、互いを尊重し、互いの良さを認め合い、安心して学べる学校づくりを目指していきたいと考えます。
そのためにも子ども達のために、粘り強く、誠実に教育実践に当たる教職員集団でありたいと考えます。
【目指す学校の姿】
(1)生徒にとって自らの成長を実感でき、自己肯定感・自己有用感を感じ取れる学校
→誰もが安心して精一杯学び合える学校
(2)教職員にとって生徒の成長を実感でき、生徒を誇りに思える学校
→子ども達の良さを引き出せる学校
(3)保護者にとって生徒の成長を感じ取れる学校
→信頼して子どもを任せられる学校
・全教職員の協働による教育実践 …「チーム南流(チームワーク、フットワーク、ネットワーク)」
・合い言葉 …「すべては生徒達の笑顔のために」
・キーワード …「NANRYU PRIDE(南流プライド)」
<具体的な学校像> 「互いのかかわりを大切にする学校」
(1)友達と楽しく学び合う学校 …静粛で生徒の発言が聞こえる学校
(2)活力と規律のある学校 …歌声が響く学校
(3)互いの良さを認め合える学校 …明るい挨拶が交わされる学校
(4)地域の学校として、親しまれる学校 …清掃が行き届いたきれいな学校
<具体的な生徒像> 「笑顔・信頼・自立」
(1)自ら学び、自ら課題を解決し、自分の考えを相手と伝え合う生徒
(2)互いの良さを認め合い、共同・協働の気持ちで学校生活を送る生徒
(3)自分の心と体に関心を持ち、自分を鍛え、健康な心身をつくる生徒
<具体的な教師像> 「学校教育に携わるプロとしての誇りを持った教師」
(1)生徒の心を育てる教師
・様々な場面でどう行動すべきかを、生徒に問い、考えさせることで自立を促したい。
・良いことは褒める。叱る場合もなぜそれがいけないのか、生徒が納得できるような声かけを行う。
・常に同じ人間として生徒を尊重し、生徒に寄り添い、生徒とともにある教師。
生徒のために懸命に取り組む姿を生徒に見せていきたい。
(2)同僚性を大切にする教師
・互いに教え合い、学び合い、相談し合える、温かい職場にしたい。
(「報告・連絡・相談」を大切にした、風通しのよい職場風土)
・「良いこと」「良くないこと」を若手・中堅・ベテラン関係なく、率直に伝え合える。
(3)何事にも誠実に対応する教師(情熱・愛情・使命感)
・根気強く誠実に教育活動に取り組み、生徒や保護者の声に耳を傾けたい。
・生徒の心の変化や心の痛みを察知しつつ、教師としての願いを伝えられる情熱・使命感を持った集団。
→子どもの話題が飛び交う職員室
(4)高い倫理観とコンプライアンス意識を身に付けた教師
・「率先垂範、師弟同行」を心掛け、生徒の生き方のモデルとなる言動に努める。
・信頼される学校は、「不祥事0」が基本
(5)常に自分の実践を振り返りつつ、経験年数関係なく、他の教師の実践から学ぶ教師
・目の前にいる子どもたちのために、まずは自身の人間性を高める。授業技術も付随して。
・一人一人の生徒の自己実現を図るため、教師としての願いを明確に持ち、実現のために必要な指導力を身につけてく教師集団
2.経営の基本方針
「生徒一人一人を大切にする、地域から信頼される学校をめざして」 ~生徒の視点に立った教育の実践~
○地域と共にある教育を進める学校運営
○専門職としての誇りを求める学校運営
○礼儀を大切にする学校運営
① 主体的に学ぶ意欲の高い生徒をめざして~一人一人に応じた指導~
・生徒の発想を大切にし、生徒と共に考え、探求する一体感のある授業づくり
・受身の暗記・再生型の授業を、自ら学び共に学ぶ思考・発信型の授業に変えていく。
② 自発性・社会性の育成・向上をめざして~社会のしくみを地域や専門家に学ぶ~
③ 学校・学年・学級に誇りを持ち、生徒が意欲を持って取り組める活動づくり
豊かな心の育成をめざして~感じる心、共に生きる心の育成~
優しさと厳しさのある、温かい雰囲気の中で支え合い・見つめ合い・高め合いが育てられる活力ある学年・学級づくり
3.経営の重点
(1)学校経営
教師集団の凝集力が生徒の活動を左右することを認識し、生徒の安全を確保しつつ、生徒一人一人を全職員で育てていくことを基盤に経営を進める。
① 主任活動を重視し、自主的・積極的に企画・評価を行い、運営の充実を図る。
② 地域学校協働本部事業を基軸に、地域の教育力を生かした教育活動を展開する。
③ コミュニティスクール事業を推進し、地域の声を学校運営に積極的に生かし、地域と一体となって特色ある学校づくりを進める。保護者・地域との双方向の情報発信・情報交換に努めるとともに、学校行事や地域行事等へ相互参加を積極的に促し、交流を深める。
④ 授業、生徒活動を指導の両輪ととらえ、学習規律、生活規律を再構築する。
⑤ 学校評価を経営に生かしていく。
⑥ 生徒会活動や部活動を通した積極的な生徒指導の充実を図る。
(2)学習指導
「授業は学校教育の要である」との認識に基づき、「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善を行い、新しい時代に必要な資質・能力(「学びを人生や社会に生かそうとする『学びに向かう力・人間性』等の涵養、「生きて働く『知識・技能』の習得」、「未知の状況にも対応できる『思考力・判断力・表現力』等の育成」)の育成を図る。また、一人残らず生徒を授業に参加させるべく、指導と評価の一体化を図るとともに、授業研究等を通して、指導方法の工夫改善を図る。
① 4人編成の小グループを活用した、主体的・対話的で深い学びを構築し、「分かる授業、力がつく授業、問題解決力が身に付く授業、知的好奇心を喚起する授業」を目指す。
② 思考し、表現する力を高めるために、「実践モデルプログラム」を生かした学習過程(4つの学習プロセス)で授業を構成する。
ア. 見いだす…疑問を持つ、既習の内容や方法を振り返る、課題を明確にする
イ. 自分で取り組む…解決の見通しを持つ、情報を収集し調べる、自分の考えを形成する、思いや考えを基に創造する
ウ.広げ深める…新たな考えに気付く、友達と互いに学び合う、自分の考えを伝える
エ.まとめあげる…新たな疑問を持つ、学んだことを確実に身に付ける、学んだことをまとめる、思考の過程を振り返る
③ 生徒指導の機能を生かした授業を行う。
ア.共感的人間関係の育成→認め合い、教え合い、励まし合い、聞き合う。
イ.自己決定の場を与える→課題を見つけ、追究、考え、判断し、表現する。
ウ.自己存在感を与える→大切にされている・つながっている安心感・学ぶことが楽しい・成就感
④ 学習規律の定着を図る。(姿勢、返事、発言)
⑤ 自学自習の定着に向けて計画的に家庭学習に取り組むよう工夫を重ねる。(自立)
⑥ ICT機器の活用等を通して、生徒個々に応じた能力の伸長を図る。
⑦ 教科部会を中心に相互授業参観を計画的に実施する。
⑧ 保護者、地域に対して積極的に授業を公開する。
(3)道徳教育
生きる力の基盤となる「豊かな心」の育成を図るため、「考え、議論する道徳」に向けて指導方法を工夫・改善し、道徳の時間の質的変換・充実を図る。
① 社会とのかかわりに目を向けた学習を促進する。(規範意識)
② 授業時数の確保及び全内容項目を実施する。
③ 「考え、議論する道徳の授業」にするための指導方法の工夫改善を図る。
④ 道徳の授業として体験活動を充実させる。
(4)特別活動
豊かな人間性や社会性を育成するため、学級活動や生徒活動、学校行事等の集団活動を通して、「互いに支え合い・認め合い・高め合い」自ら進んでより良い生活を築こうとする態度を育成する。学習指導とともに指導の両輪と考える。
関わり合いを大切にしたシスター活動を高め、達成感を味わわせ、自尊感情を高め、誇りと自信を持たせる。
① 学級活動、生徒会活動、学校行事を通して、生徒一人一人に活躍の場面を作る。
② 生徒に感動を与え、積極的な取り組みを促す生徒会活動を展開する。
(5)生徒指導
発達段階に即した生徒理解を深め、学級経営、教科指導の充実を図り、様々な触れ合いを通して、生徒同士、生徒と教師間の豊かな人間関係づくりに努めるとともに自尊感情(自己肯定感)を高める。
① あいさつ、礼儀、マナー指導をすべての教育活動で行う。
② 生徒会活動や部活動等を通した積極的な生徒指導の充実を図る。
③ 授業、生徒活動の指導を通して、生徒の規範意識の高揚に努める。
④ 教育相談、カウンセリングの充実により、不登校対策を積極的に推進する。
⑤ 生徒の良さを積極的に探し、認めたり、褒めたりする。
⑥ 教育相談部会(スクールカウンセラー、養護教諭、教育相談担当)が中心になって、いじめや人間関係のトラブルなどを素早く察知し、早期解決に努める。「いじめは絶対に許さない」という強い意志のもと、保護者や関係機関と連携して、組織的に迅速に対応する。
(6)体育・健康・安全・食育教育
心身の発達段階に応じた健康・安全教育を推進するとともに、危機管理意識に裏付けられた安全管理・安全指導を行う。
① 安全教育活動を通して基本的生活習慣・体力づくりを推進する。
② 性に関する指導や禁煙、薬物乱用防止、情報モラルに関する指導に努め、防犯教育等を計画的に実施する。
③ 部活動の意義(目標に向かって根気強く努力する、仲間を思いやること、共に伸びることの大切さを教え、積極的に参加させる。
④ 日常の給食を中心とした食育の指導に積極的に取り組む。
(7)キャリア教育
すべての教育活動を通じたキャリア教育の推進し、発達段階に応じた職業観、勤労観の育成を図る。生徒が希望に満ちた将来像を描けるキャリア教育を実践する。
① 職業人講話、進路希望先訪問等を実施する。
② 働くことへの夢や目標が持てるよう、教職員が楽しく働いている姿で範を示す。
③ 人間としての生き方・在り方をも考えさせる進路指導に努める。
※発達段階に応じた「キャリア・パスポート」の効果的活用を図る。
(8)総合的な学習の時間
① 日本の伝統や文化に関する理解を深める取組を行う。
② 「キャリア・パスポート」を通して、発達段階に応じたキャリア教育の推進を図る。
③ 情報をつなげて解を生み出す情報編集力を育成する。
④ 自然体験やボランティア活動、災害対応教育、オリンピック・パラリンピック教育等を通して、共生社会についての理解を深める。
⑤ 環境問題を「地球規模で考え、足元から行動する」生徒を育成する。
※環境に配慮した生き方の追求→教師自らの行動で模範を示す…温室効果ガス(Co2)の積極的削減(節電、節水、ゴミの低減・分別)
(9)特別支援教育
生徒個々のニーズに応じた指導について共通理解を図るとともに、インクルーシブ教育システムの構築に学校全体で取り組む。
① 学級担任、特別支援コーディネーター、養護教諭、スクールカウンセラー等の連携を密にし、生徒の健康状態や興味関心等の実態把握に努める。
② 授業や学級生活などのユニバーサルデザインを進める。
③ 生徒の困り感を把握し、本人・保護者との合意形成のもと合理的配慮の提供を行う
④ 「個別の教育支援計画」や「個別の指導計画」等を基に、保護者や小学校の担任、外部機関にも聞き取り調査等を行い、生徒への配慮漏れがないように努めるとともに、合理的配慮を含めた継続的なサポートに繋げる。
(10)学級経営
学級経営は学校教育の根幹をなすものであり、生徒達が充実した学校生活を送り、毎日、学校に通いたいという気持ちを持ち続けられるかどうかは、学級経営の成否にかかっている。言い換えれば、学級経営がしっかりできていることは、楽しい学級づくりの基本となる。
① 一日の始めは笑顔で、そして、褒めて終わることを基本とする。
② 他者を大切にする情を育み、いじめを生まない風土づくりを行う。
③ 共に伸びる集団づくりにこだわる。(Q-Uの活用)
④ 配慮が必要な生徒が、安心して生活できるようにすることを学級経営の柱とする。
⑤ 「無言清掃、気づきの清掃」を通して、気づく力を高める。
⑥ 清潔で美しい教室環境を維持する。掲示物の貼り方にも気を配る。
(11)部活動の充実
人格形成上、部活動の教育的意義を深く理解して率先して指導に当たる。
① 直接生徒についた指導を効率的、効果的(量から質への変換)に実施する。
② 挨拶・礼儀・身なり・態度を身につけさせる。
(12)小中一貫した教育活動
南流山中学校区(南流山中学校、南流山小学校、南流山第二小学校、鰭ヶ崎小学校)の特色を生かした行事や活動等を通して、児童生徒、教職員同士の交流を積極的に図るとともに、小中の繋がりを意識した教育を推進する。
① 部活動交流や出前授業、校内研究会の相互授業参観等を通して、児童生徒の発達段階を理解し、小中学校9年間全体を見通した教育活動を展開する。
② 小学校との授業研修会や行事の交流、情報交換等に努め、小中一貫した教育の推進を図る。
③ 南流山小学校及び鰭ヶ崎小学校が実績を収めている「いきいきちばっ子コンテスト『遊・友スポーツランキングちば』」の取り組みを、部活動や授業などの機会を捉えて、可能な範囲で継続させる。
(13)職員研修
教師としての使命感や倫理観、専門性を高め、指導力の向上を図る。教師としての本分は授業であり、研修を通して絶えず指導方法の工夫改善を図り、生徒に基礎基本の確かな学力(生きる力)を身に付けさせる努力をすることは、教えるプロとしての当然の使命であり、責任である。
① 千葉県実践モデルプログラム「思考し、表現する力を高める授業づくり」に係る研修及び授業実践を推進する。指導過程の中で、4人を基本とするグループ学習の場面を設定し、「主体的で対話的な学習」をつくり出す学習課題を準備する。研修では、生徒の授業中の表情を通して、授業についての意見を積極的に交換し合える職員集団でありたい。
② 指導と評価は表裏一体ととらえ、評価方法や評価規準の再検討を行い、授業に生かす。
③ 常に個々の教師が課題意識を持って研修を計画的に推進し、指導力の向上を図る。
④ グローバル人材の育成の基本として、生徒に日本文化・異文化を理解させ、他人と良好な関係を築き、コミュニケーションが図れるようにする。進んで自分の意見を発表できるようにする。
(14)いじめ対策
「いじめ防止基本方針」を全職員がその内容を理解し、組織的に対応する。教育活動全体を通して、豊かな心の育成に努めるとともに、「いじめはどの教室でも起こり得るもの」という意識を全職員が持つ。
① 生徒の様子や変化を見逃さず、いじめの早期発見・早期対応に努める。
② 全職員で情報の交換や共有を日常的に進めていく。
③ 学校のいじめ防止に関する考えや取組を発信し、保護者や地域の理解を得ながら、連携を深めていく。
④ 関係機関の協力を仰ぎながら、子供に寄り添い、解消に向けて一つ一つの案件に丁寧に対応する。
⑤ LGBTQ+の理解、違いを認め合える国際的視野に立った民主的な社会人として必要な資質を身に付けさせる。
(15)業務改善
教職員の業務改善を推進し、子供と向き合う時間や教材研究等の時間を確保していくことは、教育の質の向上に必要不可欠である。教職員のメンタルヘルスに十分配慮しながら、適切なワーク・ライフ・バランスがとれるような職場環境を整えていきたい。
① 勤務時間管理の徹底と教職員の意識改革の推進
② 業務改善に係るPDCAサイクルの確立と校務分掌の精査(整理合理化)
③ 担当業務の明確化・適正化と組織的・機動的な学校運営体制の整備
④ 地域学校協働本部事業を通して地域の人材活用に努める。