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1. ☆12月28日(土)働く父を見て感じたこと~「文集かつしか」から~

投稿日時: 2024/12/28 サイト管理者

東葛飾管内5市(柏市・野田市・流山市・我孫子市・鎌ケ谷市)の小中学生による作文や短歌や俳句などを、毎年文集として発刊している「文集かつしか」。昭和29年の第1回の発刊から数えて今年で70年の節目を迎えました。(→購入はこちら:東葛教育会館HPより◆申込みは12月31日までです)

南流山中の子ども達の素晴らしい作品も掲載されています。今日から掲載作品を順次、本HPにてご紹介いたします。子ども達のまっさらで、新鮮な感性に是非触れてみてください。

 

働く父を見て感じたこと  南流山中 一年 鈴木春翔 

「十二歳で一人で海外に行くなんて偉いね。」

と空港の受付で言われた。その時、僕は、

「そうか、一人で海外に行くんだよな。」

と、改めて気付かされ、胸がドキドキしてきた。

 僕は、八月二日に日本を出発し、父のいる中国・上海に一週間滞在した。滞在の理由は、せっかくの夏休みなのに大きな予定がなく、母が父のところに行ってみるのはどうかと勧めてくれたからだ。しかし、母と妹と三人で行くのは大変なため、一人で行くことを決心した。中国に行くためには、ビザを取る必要がある。有明にある中国ビザセンターでは、一回目は書類の不備で突き返された。二回目も受付はされたものの、部屋は人であふれかえっており、五時間以上待たされた。中国人スタッフの対応に怒る人もいて、僕の中国に対するイメージは最悪なものになった。

 そのイメージは中国に実際に行ってみると少し変わった。 日本人だからといって特に差別されることもなく。街中やお店でも優しく接してくれる人が多かった。一方で、地方の飲食店では、やる気のない店員もいて、少しがっかりした気分になることもあった。しかし、それでも自分たちの仕事はしっかりとこなしていたので、日本人とは違い、彼らは、ただ愛想がないだけなのだと分かった。

 今回、僕が上海でいろいろな体験をした中で、特に印象に残ったのは、父の職場に連れて行ってもらったことだ。そこで父の働いている姿を初めて間近で見て感じたことが二つある。一つは、父のリーダーシップに驚いたことだ。父がその職場の中では上の立場であることは行く前から知っていたが、いつも家ではおおらかでのんびりしている父が、会社では、中国人の社員にテキパキと英語で指示を出し、自分の仕事にも集中して取り組んでいる姿を見て、普段の様子との違いに驚いた。

 もう一つは、中国人の社員が父のことを信頼してくれていることが嬉しかったことだ。父は、自分のことだけでなく周りにも気を配り、困っている社員にこれまでの経験を活かしていろいろなことを丁寧に教えていた。また、社員たちもリラックスして働いているように見えて、殺伐とした雰囲気はなく笑顔で仕事をしていた。父は中国語が話せないので職場で陰口を言われていないか心配していたが、全くそんなことはなく、皆が父を慕ってくれているのが嬉しく安心した。

 今回の旅を通じて僕は、外国人とのコミュニケーションの難しさを知った。言葉や文化が違っても、相手と向き合う姿勢や気持ち次第で分かり合えることを僕は学んだ。次は、失敗を恐れず、チャレンジしてみようと心に誓った。