令和6年度全国学力調査分析考察
毎年、全国学力学習状況調査として、中学3年生の国語と数学の学力検査が行われています。
それを基に、本校の結果や改善点についてまとめましたので、ご報告いたします。
【はじめに】
この調査について説明いたします。調査は、国語・数学の学力診断をそれぞれ50分ずつ行いました。また、学習状況を把握するためのアンケート調査を20分程度実施しました。
また、アンケート調査は、検査した教科に関する以外にも、「朝食を毎日食べていますか」や「新聞を読んでいますか」等の生活習慣に関すること、「今住んでいる地域の行事に参加していますか」など地域社会との関わり(ボランティアの参加状況)を選択肢の中から選ぶ質問もありました。
全員が正解すると正答率100%で、これを100ポイント(以下、ptと表記)で表し、全国や県、学校集団の単位でptが出され、全体的な傾向を捉えることができます。しかし、あくまで集団全体の傾向(平均)であり、個々の結果ではありません。
この調査の目的が、それぞれ集団全体の傾向を把握して、今後の学習指導の改善や生活指導に生かすためのものであり、本校でもこの結果を考察し、これからの教育活動の改善・向上につなげていきたいと考えています。
【結果と傾向】
(1)全体
各教科ともに本校の正答率は、全国や県の平均のptを下回っています。また、短答式の問題に比べ、選択式・記述式の正答率が各教科ともに低い傾向でした。ここから、回答に時間がかかりそうな問題や文章で自分の考えをまとめ答える問題を苦手にしている生徒が多いことがわかりました。
(2)国語(問題数15)
上記の通り、ほぼ全分野の問題において正答率が全国や県の平均のptを下回っています。その中でも「表現の効果を考えて描写するなど、自分の考えが伝わる文章になるように工夫することができるかどうかをみる」に関する問題の正答率は大幅に低い値を示しています。「書くこと」の平均正答率も大きく下回っていることからも自らの考えを表現することに関して課題が見られます。そのため、授業内でもまとめやふり返りなど書く習慣を増やし、書くことへの苦手意識をなくしていきたいと思っています。また、国語だけでなく、他教科も含め、自らの考えを書く場面を増やしていきたいと考えています。「話すこと・聞くこと」については、平均近く問題を解くことができています。特に「必要に応じて質問紙ながら話の内容を捉えることができるかどうかをみる」問題では、全国や県の平均のptを上回りました。このことから「話すこと・聞くこと」が比較的できているため、そこから文章化できるようにこれからの学習で生かしていきたいと思います。
(3)数学(問題数16)
ほぼ全分野の問題において正答率が全国や県の平均のptを下回っています。その中でも「複数の集団のデータの分布の傾向を比較して読み取り、判断の理由や数学的な表現を用いて説明することができるかどうかをみる」問題の正答率は大幅に下回っています、国語同様に説明するというような考えを文章化することに関して、課題が見られます。また、「数や式」や「データの活用」の分野を苦手にしている生徒が多いことがわかります。「連続する二つの偶数を、文字を用いた式で表すことができるかどうかをみる」問題でも大きく平均値を下回っており、「数や式」の知識・技能について課題があり、基礎・基本の定着を行っていく必要があると感じています。「筋道を立てて考え、証明することができるかどうかをみる」問いに対しては、全国や県の平均値よりも高いptであるものの、無回答率が高く表れています。この結果から生徒によって理解の差が大きいことがわかります。無解答率を少しでも減らすことができるよう授業内でも互いに学び合う共同学習の時間を増やしたり、少しでも書けるよう基礎の確認を行ったり、工夫して授業に取り組んでいきたいと思います。
(4)学習状況アンケート(質問数69)
「あなたの学級では、学級生活をよりよくするために学級活動で話し合い、互いの意見のよさを生かして解決方法を決めてますか」「学級活動における学級での話合いを生かして、今、自分がすべきことを決めて取り組んでいますか」という2つの問いに対して、「あてはまる」と回答した生徒が全国や県の平均値を大きく上回っています。それだけでなく、「自分と違う意見について考えるのは楽しいと思いますか」という問いに対しても平均値よりも高い値になっています。このことから意見が異なっていても互いを認め、話合ってよりよいものを目指していることがわかります。
「普段(月曜日から金曜日)、1日当たりどれくらいの時間、携帯電話やスマーフォンでSNSや動画視聴をしますか(携帯電話やスマートフォンを使って学習する時間やゲームをする時間は除く)」「普段(月曜日から金曜日)、1日当たりどれくらいの時間、テレビゲーム(コンピュータゲーム、携帯式のゲーム、携帯電話やスマートフォンを使ったゲームも含む)をしますか」という2つの質問では、それぞれ「4時間以上」(選択肢の中で最も時間が長いもの)という回答が全国や県の平均値よりも大きく上回っています。スマートフォン等を長時間使用し、過ごしている生徒が多いことがわかります。また、「学校の授業時間以外に普段(月曜日から金曜日)、1日どれくらいの時間、勉強しますか(学習塾で勉強している時間や家庭教師の先生に教わっている時間、インターネットを活用して学ぶ時間も含む)」や「土曜日や日曜日など学校が休みの日に、1日どれくらい、勉強しますか(学習塾で勉強している時間や家庭教師の先生に教わっている時間、インターネットを活用して学ぶ時間も含む)」が全国や県の平均値より短いことがわかります。これらの結果から、家庭で過ごす時間の使い方が本校の課題の一つとなっていると考えられます。昨年度同様になりますが、生徒の学力を向上させるためには、計画的な家庭学習ができるよう各家庭にご協力をいただき、1日当たりのテレビゲームやSNS・動画視聴の時間を減らすことがポイントになると考えられます。
【成果と課題】
上記の通り、本校の大きな課題が計画的な家庭学習が挙げられます。そのためには、家庭での過ごし方を考える必要があります。特に1日当たりのテレビゲームやSNS・動画視聴の時間が平均値よりも高い値を示していることからも学校で使い方について考えさせ、各ご家庭でももう一度ルールを確認していただけたらと思います。また、長期休暇の宿題では、eライブラリを使用した宿題を出した教科もありましたので、是非家庭学習でも活用していただけたらと思います。
また、記述式の問題に関しては、無回答率が他の形式の問題より高くなっています。そのため、上記にも述べましたが、授業内でもまとめやふり返りなど書く習慣を増やし、書くことへの苦手意識をなくしていきたいと思っています。また、国語だけでなく、他教科も含め、自らの考えを書く場面を増やしていきたいと考えています。今後はさらにこれを充実させて、自分の考えしっかりまとめ、表現する力を身に付けられる生徒の育成をめざし、記述式の問いに対する無回答率を減らしていきたいと思います。
以上の結果を踏まえ湖北台中学校では、
① 家庭学習の時間を増やすため、楽しいと思える授業づくりを行う。
② 主体的・対話的で深い学びの充実を図り、自分の考えをまとめ表現する力を身に付けられる生徒の育成をめざす。
の2点に力を入れ、生徒の資質・能力を高めて行くことが課題となると考えます。
毎年、全国学力学習状況調査として、中学3年生の国語と数学の学力検査が行われています。
今年度は4月18日に、英語を加えて行われました。全国及び県の集計結果が8月に学校に届きました。
それを基に、本校の結果や改善点についてまとめましたので、ご報告いたします。
【はじめに】
この調査について説明いたします。調査は、国語・数学・英語の学力診断をそれぞれ50分ずつ行いました。
また、学習状況を把握するためのアンケート調査を45分程度実施しました。
また、アンケート調査は、検査した教科に関する以外にも、「朝食を毎日食べていますか」や「新聞を読んでいますか」等の生活習慣に関すること、「今住んでいる地域の行事に参加していますか」など地域社会との関わり(ボランティアの参加状況)を選択肢の中から選ぶ質問もありました。
全員が正解すると正答率100%で、これを100ポイント(以下、ptと表記)で表し、全国、や県、学校集団の単位でptが出され、全体的な傾向を捉えることができます。しかし、あくまで集団全体の傾向(平均)なので、当然個々人の力はそれぞれ高かったり低かったりします。
この調査の目的が、それぞれ集団全体の傾向を把握して、今後の学習指導の改善や生活指導に生かすためのものであり、本校でもこの結果を考察し、これからの教育活動の改善・向上につなげていきたいと考えています。
【結果と傾向】
(1)全体
各教科ともに本校の正答率は、全国や県の平均のptを下回っています。また、選択式や短答式の問題に比べ記述式の正答率が各教科ともに低い傾向でした。ここから、回答に時間がかかりそうな問題や文章で自分の考えをまとめ答える問題を苦手にしている生徒が多いことがわかりました。
(2)国語(問題数15)
上記の通り、ほぼ全分野の問題において正答率が全国や県の平均のptを下回っています。その中でも「言葉の特徴や使い方に関する事項」に関する問題の正答率は9pt近く低い値を示しています。普段の学校生活や国語の授業においても、生徒の語彙力の低下は感じていたが、それが改めて顕在化したと感じました。読書体験や語句の意味調べなどを大切にしていく必要があると思います。また、「おし量る」を書く問題では、無回答の生徒が2割以上いる結果となりました。漢字の読み・書きという基礎基本の定着の甘さが見えます。一方で、昨年数値が低かった「書くこと」の項目で1問全国平均を上回る結果がでた問題がありました。数年来、本校の生徒は国語の「書く力」に不安を抱えていましたが、授業中の書く作業を増やしたり、他教科も含めて授業の振り返りを自分の言葉で書かせたりしてきた効果が、少しずつ出ているのではないか、と感じています。
(3)数学(問題数15)
どの分野の問題においても本校の正答率が全国や県の平均のptを下回っています。内容を見ると、「数や式」や「関数」、「データの活用」の分野を苦手にしている生徒が多いことがわかります。逆に、「図形」の分野は全国や県の平均のptに近くなっています。しかし「データの活用」の分野にある、「累積度数の意味を理解しているかどうかをみる」問いや、「数と式」の分野にある「結論が成り立つための前提を、問題解決の過程や結果振り返って考え、成り立つ事柄を見出し、説明することができる」問いに対しては、無回答率が全国や県の平均に比べて無回答率が高く表れています。基礎や応用に問わず、わからない問題が出た時に思考することを止めてしまう、ということに不安を感じました。基礎定着のための授業の振り返りや、互いに学び合う共同学習の時間を今後も大切にしていく必要性を感じました。
(4)英語(問題数17)
情報を正確に聞き取ることができるか問う第一問目は全国・県の平均を2ptほど上回っていたものの、その他の問題で本校の正答率が全国や県の平均のptを下回っています。特に全国や県の平均を大きく下回っていたのが、まとまった英文を読み、必要な情報を正確に読み取る力を問う問題でした。また、「社会的な問題に関して読んだことについて、考えとその理由を書く」の問題については、正答率は全国・県平均より-1pt弱とあまり大きな差はありませんでしたが、無回答率が37.5%と平均よりも多い結果となりました。また、「話すことテスト」については、全問不正解の生徒が約79ptととても多く、全国に比べて2割近く多い結果となりました。不正解者の分布を見てみると、各問題で無回答の割合が多くなっていました。どう答えていいか分からない、答えようとしたが時間が足りない、等様々な原因が考えられますが、即興で英語を話す力を伸ばすことが今後の課題であることが明らかになりました。全体を通して、書くこと、話すことに課題があることが改めて明らかになりました。自信がない、または難しいと感じる問題に直面した際に、考えることを止めてしまう生徒が一定数いるように感じます。自分の伝えたいことを間違えることを恐れずに言おう、書こうする気持ち、粘り強く取り組む気持ちを育てていく必要があると考えました。
(5)学習状況アンケート(質問数72)
全国のptを上回っているものとして、「学校の部活動に参加していますか」、「道徳の授業では、自分の考えを深めたり、学級やグループで話し合ったりする活動に取り組んでいますか」、「あなたの学級では、学校生活をよりよくするために学級活動で話し合い、互いの意見の良さを生かして解決方法を決めていますか」、「いじめは、どんな理由があってもいけないことだと思いますか」などがあげられます。
また、「国語・数学の勉強は好きですか」「学習の中でPC・タブレットなどのICT機器を使うのは勉強に役立つと思いますか」などの質問は全国のptとほぼ同傾向でした。
一方、「土曜日や日曜日など学校が休みの日に、1日1時間以上の時間、勉強しますか」の質問では20pt
以上低かったです。
【成果と課題】
「部活動に参加する」こと「いじめはどんな理由があってもいけないこと」「将来の夢や目標を持っている」生徒が多かったです。「読書が好きですか」や「1日当たりの読書の量」が県や全校のptよりも低いです。読書の習慣と学力を比較すると、読書の習慣がある生徒とそうでない生徒では全ての教科の平均正答率が異なり、前者の方が平均正答率が高くなる傾向にあります。しかし、読書を全くしないと答えた生徒も15.6%存在しているので、さらに読書活動が活性化できる指導をする必要があります。
また、学校の授業時間以外に普段(月曜日から金曜日)、1日当たり1時間以上の時間、勉強しますか(学習塾で勉強している時間や家庭教師の先生に教わっている時間、インターネットを活用して学ぶ時間も含む)」や「土曜日や日曜日など学校が休みの日に、1日当たり2時間以上の時間、勉強しますか(学習塾で勉強している時間や家庭教師の先生に教わっている時間、インターネットを活用して学ぶ時間も含む)」が県や全国に比べると低いので、家庭学習時間が少なくなっていると考えられます。これらの結果から、家庭で過ごす時間の使い方が本校の課題の一つとなっていると考えられます。生徒の学力を向上させるためには、計画的な家庭学習ができるよう各家庭にご協力をいただき、1日当たりのテレビゲームやSNS・動画視聴の時間を減らすことがポイントになると考えられます。
毎年、全国学力学習状況調査として、中学3年生の国語と数学の学力検査が行われています。今年度は4月19日に、理科を加えて行われました。全国及び県の集計結果が9月に学校に届きました。それを基に、本校の結果や改善点についてまとめましたので、ご報告いたします。
【はじめに】
この調査について説明いたします。調査は、国語・数学・理科の学力診断をそれぞれ50分ずつ行いました。また、学習状況を把握するためのアンケート調査を45分程度実施しました。
国語と数学は過去には、A問題(「基礎知識」が問われる問題)とB問題(「基礎知識を基にした応用問題」で記述式解答が多く主に「思考力や表現力」が問われる問題)の構成になっていましたが、今年度は令和元年度、令和3年度と同様にA,Bに分けられずに行われました。また、アンケート調査は、検査した教科に関する以外にも、「朝食を毎日食べていますか」や「新聞を読んでいますか」等の生活習慣に関すること、「今住んでいる地域の行事に参加していますか」など地域社会との関わり(ボランティアの参加状況)を選択肢の中から選ぶ質問もありました。
全員が正解すると正答率100%で、これを100ポイント(以下、ptと表記)で表し、全国、や県、学校集団の単位でptが出され、全体的な傾向を捉えることができます。しかし、あくまで集団全体の傾向(平均)なので、当然個々人の力はそれぞれ高かったり低かったりします。
この調査の目的が、それぞれ集団全体の傾向を把握して、今後の学習指導の改善や生活指導に生かすためのものであり、本校でもこの結果を考察し、これからの教育活動の改善・向上につなげていきたいと考えています。
【結果と傾向】
(1)全体
各教科ともに本校の正答率は、全国や県の平均のptを下回っています。また、選択式や短答式の問題に比べ記述式の正答率が各教科ともに低い傾向でした。ここから、回答に時間がかかりそうな問題や文章で自分の考えをまとめ答える問題を苦手にしている生徒が多いことがわかりました。
(2)国語(問題数14)
上記の通り、どの分野の問題においても正答率が全国や県の平均のptを下回っています。特に、「書くこと」が「話すこと・聞くこと」や「読むこと」の分野に比べ平均のptが低くなっています。反面、「読むこと」の正答率では、本校の平均ptが全国や県の平均ptに近い値を示しています。「場面の展開や登場人物の心情の変化などについて、描写を基に捉える」問いでは、本校の正答率が全国や県の平均ptよりも高い値となっていました。しかし、「自分の考え方が分かりやすく伝わるように表現を工夫して話す」問いでは、無回答の生徒が約3割ほどいます。さらに、「文脈に即して漢字を正しく書く」問いでは無回答の生徒が全国や県よりも多くなっているのがわかりました。
(3)数学(問題数14)
どの分野の問題においても本校の正答率が全国や県の平均のptを下回っています。また、記述式の問題に比べ、選択式や短答式の問題の正答率のptが低くなっています。内容を見ると、「関数」や「図形」の分野を苦手にしている生徒が多いことがわかります。逆に、「データの活用」の分野は全国や県の平均のptに近くなっています。さらに「関数」の分野では、「反比例の意味を理解している」問いには、全国や県の正答率を上回っています。しかし、「結論が成り立つための前提を考え、新たな事柄を見いだし、説明することができる」や「道筋を立てて考え、事柄が成り立つ理由を説明することができる」問いでは5割近く無回答となっています。
(4)理科(問題数21)
どの分野の問題で本校の正答率が全国や県の平均のptを下回っていますが、国語や数学に比べるとその差は小さくなっています。特に、「課題に正対した考察を行うためのグラフを作成する技能が身についているかどうかをみる」、「地層の広がりについて、時間的・空間的な見方を働かせながら、ルートマップと露頭のスケッチを関連付け、地震の傾きを分析して解釈できるかどうかをみる」、「液体が気体に変化することによって温度が下がる身近な事象を問うことで、状態変化に関する知識及び技能を活用できるかどうかをみる」問いでは、全国や県の正答率を上回っています。しかし、国語や数学と比べると各問いに対する無回答数は少なくなりますが、「考察の妥当性を高めるために,測定値の増やし方について、測定する範囲と刻み幅の視点から実験の計画を検討して改善できるかどうかをみる」記述式の問いでは約4割の生徒が無回答となっています。
(5)学習状況アンケート(質問数69)
全国のptを上回っているものとして、「1日当たりのテレビゲームをしている時間が4時間以上(携帯やスマートフォンを使ったゲームを含む)」、「1日当たりのSNSや動画を見ている時間(2時間以上の生徒)」、「学校の授業時間以外に、普段(月曜日から金曜日)、1日当たりどれくらいの時間、読書しますか(教科書や参考書、漫画や雑誌は除く)」、「読書は好きですか」、「今住んでいる地域の行事に参加していますか」、「いじめは、どんな理由があってもいけないことだと思いまか」、「難しいことでも、失敗を恐れないで挑戦していますか」、「自分と違う意見について考えるのは楽しいと思いますか」、「あなたの家には、およそどれくらい本がありますか(一般の雑誌、新聞、教科書はのぞく)100冊以下であると回答した生徒数」、「地域や社会をよくするために何をすべきかを考えることがありますか」、「自然の中で遊ぶことや自然観察することがありますか」、「地域の大人に、授業や放課後などで勉強やスポーツを教えてもらったり、一緒に遊んでもらったりすることがありますか(習い事の先生は除く)」、「2年生のときに受けた授業では、各教科などで学んだことを生かしながら、自分の考えをまとめる活動を行っていましたか」、「2年生のときに受けた授業では、自分の思いや考えをもとに、作品や作文など新しいものを創り出す活動を行っていましたか」、「数学の授業で学習したことを、普段の生活の中で活用できないか考えますか」、「理科の勉強は大切だと思いますか」、「理科の授業で学習したことを、普段の生活の中で活用できないか考えますか」、「理科の授業で学習したことは、将来、社会に出たときに役に立つと思いますか」などがあげられます。
また、「人の役に立つ人間になりたいと思う」、「友達と協力するのは楽しいと思いますか」、「2年生のときに受けた授業は、自分にあった教え方、教材、学習時間などになっていましたか」、「あなたの学級では、学校生活をよりよくするために学級活動で話し合い、互いの意見の良さを生かして解決方法を決めていますか」、「道徳の授業では、自分の考え緒を深めたり、学級やグループで話し合ったりする活動に取り組んでいますか」、「国語の勉強は好きですか」などの質問は全国のptとほぼ同傾向でした。
一方、「朝食を毎日食べていますか」、「携帯電話・スマートフォンやコンピュータの使い方について、家の人と約束したことを守っていますか」、「将来の夢や目標を持っていますか」、「学校の授業時間以外に普段(月曜日から金曜日)、1日当たり1時間以上の時間、勉強しますか(学習塾で勉強している時間や家庭教師の先生に教わっている時間、インターネットを活用して学ぶ時間も含む)」、「土曜日や日曜日など学校が休みの日に、1日当たり2時間以上の時間、勉強しますか(学習塾で勉強している時間や家庭教師の先生に教わっている時間、インターネットを活用して学ぶ時間も含む)」、「新聞を読んでいますか」、「総合的な学習の時間では、自分で課題を立てて情報を集め整理して、調べてことを発表するなどの学習活動に取り組んでいますか」、「数学の勉強は好きですか」「理科の勉強は好きですか」、「解答時間は十分でしたか(今回の3教科について)」などの質問に関して、全校のptに比べ低くなっています。
【成果と課題】
「読書が好きですか」や「1日当たりの読書の量」が県や全校のptよりも高いことで、本校生徒の読書活動が活発で、本に親しんでいる状況が表れています。読書の習慣と学力を比較すると、読書の習慣がある生徒とそうでない生徒では全ての教科の平均正答率が異なり、前者の方が平均正答率が高くなる傾向にあります。しかし、読書を全くしないと答えた生徒も27.6%存在しているので、さらに読書活動が活性化できる指導をする必要があります。また、「今住んでいる地域の行事への参加の度合い」や「地域の大人に、授業や放課後などで勉強やスポーツを教えてもらったり、一緒に遊んでもらったりすることがありますか(習い事の先生は除く)」も県や全国のptを上回っているので、本校が地域の人材活用した学習ができていることや地域活動への積極的な参加ができている状況が読み取れます。
一方、「朝食を毎日食べていますか」や「毎日、同じくらいの時刻に寝ていますか」の問いに、例年と比べると生徒の正答率のpt差が明確に表れませんでした。しかし、「1日当たりのテレビゲームをしている時間(携帯やスマートフォンを使ったゲームを含む)」や「1日当たりのSNSや動画を視聴している時間」では、4時間以上ゲームをする生徒の平均正答率が、ゲームを全くしない生徒の平均正答率は、どの教科でも低くなっています。また、学校の授業時間以外に普段(月曜日から金曜日)、1日当たり1時間以上の時間、勉強しますか(学習塾で勉強している時間や家庭教師の先生に教わっている時間、インターネットを活用して学ぶ時間も含む)」や「土曜日や日曜日など学校が休みの日に、1日当たり2時間以上の時間、勉強しますか(学習塾で勉強している時間や家庭教師の先生に教わっている時間、インターネットを活用して学ぶ時間も含む)」が県や全国に比べると低いので、家庭学習時間が少なくなっていると考えられます。これらの結果から、家庭で過ごす時間の使い方が本校の課題の一つとなっていると考えられます。生徒の学力を向上させるためには、計画的な家庭学習ができるよう各家庭にご協力をいただき、1日当たりのテレビゲームやSNS・動画視聴の時間を減らすことがポイントになると考えられます。
また、記述式の問題に関しては、これまでの学力学習状況調査同様に無回答率が他の形式の問題より高くなっています。本学校では、この力が社会に出てから求められる重要な力と考え、主体的で対話的で深い学びの学習を全ての教育活動の中で展開しています。このことは、「自分と違う意見について考えるのは楽しいと思いますか」や「2年生のときに受けた授業では、各教科などで学んだことを生かしながら、自分の考えをまとめる活動を行っていましたか」、「2年生のときに受けた授業では、自分の思いや考えをもとに、作品や作文など新しいものを創り出す活動を行っていましたか」の問いに対し肯定的な回答をした生徒が県や全国よりも多くなっていることに表れています。今後はさらにこれを充実させて、自分の考えしっかりまとめ、表現する力を身に付けられる生徒の育成をめざし、記述式の問いに対する無回答率を減らす必要があると思います。
以上の結果を踏まえ湖北台中学校では、
① テレビゲームやSNS・動画視聴の時間を減らし、家庭学習の時間を増やす。
② 主体的で対話的で深い学びの充実を図り、自分の考えをまとめ表現する力を身に付けられる生徒の育成をめざす。
の2点に力を入れ生徒の資質・能力を高めて行くことが課題となると考えます。
以上
2021年度 全国学力・学習状況調査の結果から
毎年、全国学力学習状況調査として、中学3年生の国語と数学の学力検査が行われています。今年度は5月27日に行われました。全国及び県の集計結果が9月に学校に届きました。それを元に、本校の結果や改善点についてまとめましたので、ご報告いたします。
【はじめに】
この調査について説明いたします。調査は、国語・数学の学力診断をそれぞれ50分ずつ行いました。また、学習状況を把握するためのアンケート調査を45分程度実施しました。
国語と数学は例年、A問題(「基礎知識」が問われる問題)とB問題(「基礎知識を基にした応用問題」で記述式解答が多く主に「思考力や表現力」が問われる問題)の構成になっていますが、今年度は令和元年度と同様にA,Bに分けられずに行われました。また、アンケート調査は、検査した教科に関する以外にも、「朝食を毎日食べていますか」や「新聞を読んでいますか」等の生活習慣に関すること、「今住んでいる地域の行事に参加していますか」など地域社会との関わり(ボランティアの参加状況)を選択肢の中から選ぶ質問もありました。
全員が正解すると正答率100%で、これを100ポイント(以下、ptと表記)で表し、全国、や県、学校集団の単位でptが出され、全体的な傾向を捉えることができます。しかし、あくまで集団全体の傾向(平均)なので、当然個々人の力はそれぞれ高かったり低かったりします。
この調査の目的が、それぞれ集団全体の傾向を把握して、今後の学習指導の改善や生活指導に生かすためのものであり、本校でもこの結果を考察し、これからの教育活動の改善・向上につなげていきたいと考えています。
【結果と傾向】
(1)全体
各教科ともに本校の正答率は、全国や県の平均のptを下回っています。また、選択式や短答式の問題に比べ記述式の正答率が各教科ともに低い傾向でした。ここから、回答に時間がかかりそうな問題や文章で自分の考えをまとめ答える問題を苦手にしている生徒が多いことがわかりました。
(2)国語(設問数14題)
上記の通り、記述式の問題の正答率が全国や県の平均のptを下回っています。内容を見ると、「書くこと」の分野を苦手にしている生徒が多いことがわかります。逆に、「話すこと・聞くこと」では正答率が全国や県の平均のptに近い値を示しています。特に、「話し合いの話題や方向を捉える」や「質問の意図を捉える」問い、「文脈に即して漢字を正しく読む」問いは8割以上の正答率で全国や県の平均に近い値でした。また、「文章に表れているものの見方や考え方を捉え、自分の考えもつ」問いでは、無回答の生徒が約3割5分ほどいます。
(3)数学(設問数16題)
数学も短答式の問題に比べ、選択式や記述式の問題の正答率が全国や県の平均のptを下回っています。内容を見ると、「数と式」、「関数」、「図形」の分野を苦手にしている生徒が多いことがわかります。逆に、「資料の活用」の分野は全国や県の平均のptに近く、「与えられたデータから中央値を求める」問いには全国や県の正答率を上回っています。また、「関数」でも「与えられたグラフから、必要な情報を適切に読み取る」問いには全国や県の正答率に近い値となっています。しかし、「データの傾向を的確に捉え、判断の理由を数学的に説明する」や「数学的な結果を事象に即して解釈し、事柄の特徴を数学的に説明する」問いでは5割近く無回答となっています。
(4)学習状況アンケート(質問69項目)
全国のptを上回っているものとして、「1日当たりのテレビゲームをしている時間(携帯やスマートフォンを使ったゲームを含む)」、「1日当たりの読書の量」、「今住んでいる地域の行事への参加の度合い」、「道徳の授業では、自分の考えを深めたり、学級やグループで話し合ったりする活動に取り組んでいる」、「国語の勉強は好き」、「国語の授業の内容はよくわかる」、「数学の授業で問題の解き方や考え方がわかるようにノートにかいている」、などがあげられます。
また、「自分にはよいところがあると思う」、「自分でやると決めたことは、やり遂げるようにしている」、「人の役に立つ人間になりたいと思う」、「友達と話し合うとき、友達の話や意見を最後まで聞くことができている」、「国語の勉強は大切だと思う」、「国語の授業で学習したことは、将来、社会に出たときに役立つと思う」、「国語の授業では、目的に応じて、自分の考えを話したり必要に応じて質問したりしている」、「数学の勉強が好き」、「数学の勉強は大切だと思う」、「数学の授業で学習したことは、将来、社会に出たときに役立つと思う」、「数学の授業で公式や決まりを習うとき、そのわけを理解するようにしている」などの質問は全国のptとほぼ同傾向でした。
一方、「朝食を毎日食べていますか」、「毎日、同じくらいの時刻に寝ていますか」、「携帯電話・スマートフォンやコンピュータの使い方について、家の人と約束したことを守っていますか」、「将来の夢や目標を持っていますか」、「難しいことでも、失敗を恐れないで挑戦していますか」、「自分の思っていることや感じていることをきちんと言葉で表すことができますか」、「家で自分で計画を立てて勉強していますか」、「1日当たりの学校外での学習時間」、「地域や社会をよくするために何をすべきか考えることがありますか」、「学級活動における学級の話し合いを生かして、今、自分が努力すべきことを決めて取り組んでいますか」「国語の授業では、目的に応じて、自分の考えが伝わるように根拠を明確にして書いたり表現を工夫して書いたりしていますか」、「1,2年のときに受けた英語の授業では、英語で話したり書いたりして、自分自身の考えや気持ちを伝え合うことができましたか」などの質問に関して、全校のptに比べ低くなっています。
また、「新型コロナウイルスの感染拡大で多くの学校が休校していた期間中、勉強について不安を感じましたか」の問いには、県や全国のptに比べ本校の生徒は不安に思っていた生徒が多い結果となりました。
【成果と課題】
「1日当たりの読書の量」が県や全校のptよりも高いことで、本校生徒の読書活動が活発で、本に親しんでいる状況が表れています。読書の習慣と学力を比較すると、読書の習慣がある生徒とそうでない生徒では国語の平均正答率が異なり、前者の方が平均正答率が高くなる傾向にあります。しかし、1日2時間以上読書する生徒よりも1日30分程度の読書する生徒の平均正答率が高いことがデータに表れてるので、ある程度の読書は必要ですが、多ければよいということではないことがわかります。また、「今住んでいる地域の行事への参加の度合い」も県や全国のptを上回っているので、本校の生徒は地域の活動に意欲的に活動している状況が読み取れます。
一方、「朝食を毎日食べていますか」の問いに、食べていると答えた生徒と食べていないと答えた生徒の正答率のptを比べると、国語では約20pt、数学では約10ptほど毎日朝食を食べる人の方が正答率が高くなりました。また、「毎日、同じくらいの時刻に寝ていますか」の問に、寝ていると答えた生徒と寝ていないと答えた生徒の各教科の正答率のptを比べても同様の傾向が見られました。さらに、「1日当たりのテレビゲームをしている時間(携帯やスマートフォンを使ったゲームを含む)」では、4時間以上ゲームをする生徒の平均正答率が、ゲームを全くしない生徒の平均正答率よりも、国語では約20ptほど低く、数学ではptが半分以下となる大きな差が出ました。これらの結果から、学力と日常生活が深く密接していると考えられます。生徒の学力を向上させるためには、「日常の生活指導を充実させて、規則正しい生活ができるよう各家庭にご協力をいただくこと」、「1日当たりのテレビゲームのの時間を減らすこと」がポイントになると考えられます。
また、記述式の問題に関しては、令和元年度同様に無回答率が他の形式の問題より高くなっています。記述式の問題に答えるためには、自分の考えを端的にまとめ文章等に表現することが要求されます。学校では、この力が社会に出てから特に必要な重要な力と考えています。そのため学校では、主体的で対話的で深い学びの学習を全ての教育活動の中で展開していますが、今後はさらにこれを充実させて、「自分の意見をしっかりまとめ、表現する力を身に付けられる生徒を育成すること」を努力していく必要があると考えられます。
以上の結果を踏まえ湖北台中学校では、
① 規則正しい生活習慣の確立を目指す。
② テレビゲームの時間を減らし、家庭学習の時間を増やす。
③ どの教科でも自分の考えをまとめ表現する活動をより多く取り入れ、記述力の向上を目指す。
の3点に力を入れ生徒の資質・能力を高めて行くことが、必要であると考えています。
以上
2019年度 全国学力・学習状況調査の結果から
毎年、全国学力学習状況調査として、中学3年生の国語と数学の学力検査が行われています。今年度はこれに英語が加えられ、4月18日に行われました。全国及び県の集計結果が8月後半から9月上旬に学校に届きます。それを元に、本校の結果や改善点についてまとめましたので、ご報告いたします。
【はじめに】
この調査について説明いたします。調査は、国語・数学の学力診断をそれぞれ50分ずつ、英語「聞くこと、読むこと、書くこと」調査を50分及びコンピュータを使った英語「話すこと」調査を一人5分程度行いました。また、学習状況を把握するためのアンケート調査を45分程度実施しました。
国語と数学は例年、A問題(「基礎知識」が問われる問題)とB問題(「基礎知識を基にした応用問題」で記述式解答が多く主に「思考力や表現力」が問われる問題)の構成になっていますが、今年度はA,Bに分けられずに行われました。また、アンケート調査は、検査した教科に関する以外にも、「朝食を毎日食べていますか」や「新聞を読んでいますか」等の生活習慣に関すること、「今住んでいる地域の行事に参加していますか」など地域社会との関わり(ボランティアの参加状況)を選択肢の中から選ぶ質問もありました。
全員が正解すると正答率100%で、これを100ポイント(以下、ptと表記)で表し、全国、や県、学校集団の単位でptが出され、全体的な傾向を捉えることができます。しかし、あくまで集団全体の傾向(平均)なので、当然個々人の力はそれぞれ高かったり低かったりします。
この調査の目的が、それぞれ集団全体の傾向を把握して、今後の学習指導の改善や生活指導に生かすためのものであり、本校でもこの結果を考察し、これからの教育活動の改善・向上につなげていきたいと考えています。
【結果と傾向】
(1)全体
各教科ともに本校の正答率は、全国や県の平均のptを下回っています。また、選択式や短答式の問題に比べ記述式の正答率が各教科ともに低く、特に英語では顕著な傾向でした。ここから、回答に時間がかかりそうな問題や文章で自分の考えをまとめ答える問題を苦手にしている生徒が多いことがわかりました。
(2)国語(設問数10題)
上記の通り、記述式の問題の正答率が全国や県の平均のptを下回っています。内容を見ると、「話すこと・聞くこと」の分野を苦手にしている生徒が多いことがわかります。逆に、「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」では正答率が全国や県の平均のptと同程度です。また、「話し合いの流れを踏まえ、『どうするか決まっていないこと』について自分の考え書く」問いで、無回答の生徒が約2割います。
(3)数学(設問数16題)
数学も選択式の問題に比べ、短答式や記述式の問題の正答率が全国や県の平均のptを下回っています。内容を見ると、「関数」の分野を苦手にしている生徒が多いことがわかります。逆に、「図形」の分野は全国や県の平均のptに近く、「ある予想に対して与えられた図が反例となっていることの説明として正しいものを選ぶ」問いには正答率が高くなっています。しかし、「四角形ABCDがどのような四角形であれば、AF=CEになるか説明する」問いでは4割近く無回答となっています。
(4)英語
① 英語(設問21題)
英語は国語や数学に比べ、記述式の問題の正答率が全国や県の平均のptを大きく下回っています。特に「来日する留学生の音声メッセージを聞いて、部活動についてのアドバイスを書く」問に関しては約6割、「食糧問題について書かれた資料を読んで、その問題に対する自分の考えを書く」問いに関しては約4割の生徒が無回答になっています。しかし、「ある状況を描写する英語を聞いて、その内容を最も適切に表している絵を選択する」や「教室英語を聞いて、その指示の内容を最も適切に表している絵を選択する」問いには全国や県の平均のptと同程度です。内容を見ると、「聞くこと」に関しては正答率が高くなっていますが、「書くこと」は正答率が低く、苦手にしている生徒が多いことがわかります。
② 英語「話すこと」(設問5題)
英語の「話すこと」に関しては、前述の通りコンピュータを使って英語で問われた問題に対して英語で答える形式で行われました。無回答は、各設問に対し1割から3割ほどおり、他の検査に比べ極端に多くなっています。このことから、「英語の内容が聞き取れない、聞かれた問いに対して英語で答えられない」英語の苦手な生徒がいることがわかります。特に、「ユイコとライアン先生のやり取りを聞き、その内容を踏まえて会話が続いていくように、即興で質問する」問いの正答率が極端に低くなっています。これは全校や県の平均のptも同様の傾向を示しており、日本の英語教育の課題が浮き彫りになっていることがわかります。
(5)学習状況アンケート(質問80項目)
全国のptを上回っているものとして、「ものごとを最後までやり遂げて、うれしかったことがありますか」、「国語の勉強は好きですか」、「国語の勉強は大切だと思いますか」などが挙げられます。他にも「国語の授業で学習したことは、将来、社会に出たときに役に立つと思いますか」、「国語の授業で学習したことを、普段の生活の中で、話したり聞いたり書いたり読んだりするときに活用しようとしていますか」、などがあげられます。
また、「自分にはよいところがあると思いますか」、「いじめは、どんな理由があってもいけないことだと思いますか」、「難しいことでも、失敗を恐れないで挑戦していますか」、「外国の人と友達になったり、外国のことについてもっと知ったりしてみたいと思いますか」、「学級活動における学級での話し合いを生かして、今、自分が努力すべきことを決めて取り組んでいると思いますか」、「1、2年のときに受けた授業では、課題の解決に向けて、自分で考え、自分から取り組んでいたと思いますか」などの質問は全国のptとほぼ同傾向でした。
一方、「朝食を毎日食べていますか」、「毎日、同じくらいの時刻に寝ていますか」、「毎日、同じくらいの時刻に起きていますか」、「学校の規則は守っていますか」、「家で自分で計画を立てて勉強していますか」、「授業で学んだことを、ほかの学習に生かしていますか」、「国語の授業では、目的に応じて、自分の考えを話したり書いたりしていますか」、「英語の勉強は好きですか」「英語の授業で学習したことは、将来、社会へ出たときに役立つと思いますか」などの質問に関して、全校のptに比べ低くなっています。
【成果と課題】
「朝食を毎日食べていますか」の問いに、食べていると答えた生徒と食べていないと答えた生徒の各教科の正答率のptを比べると、前者の正答率のptが高くなりました。また、「毎日、同じくらいの時刻に寝ていますか」の問に、寝ていると答えた生徒と寝ていないと答えた生徒の各教科の正答率のptを比べても同様の傾向で、寝ていないと答えた生徒の英語の正答率が寝ていると答えた生徒のほぼ半分でした。これらの結果から、学力と日常生活が深く密接していると考えられるますので、学力の向上のために第一には、「日常の生活指導を充実させて、各家庭にご協力をいただくこと」があげられます。
また、記述式の問題に関しては、無回答率が他の形式の問題より高くなっています。自分の考えを端的にまとめ文章等で伝えることは、社会に出てからは特に必要で重要な力ですし、入試の際にはこれから特に必要とされる力です。今後は、「自分の意見をしっかり書ける表現力を身に付けられる授業をどの教科でも展開すること」が必要と捉えています。
一方、「読書は好きですか」の問いに、好きだと答えた生徒と好きでないと答えた生徒各教科の正答率のptを比べると、前者の正答率のptが高くなりました。(特に国語に顕著な差が生じています。)このため昨年度から取り組んでいる「学校図書館活用の推進」に関して、さらに読書活動を推奨していくことも大切であることがわかります。
以上の結果を踏まえ湖北台中学校では、
① 規則正しい生活習慣の確立を目指す。
② どの教科でも自分の考えをまとめ表現する活動をより多く取り入れ、記述力の向上を目指す。
③ 読書活動が活発になるようにさらに図書館を活用をしていくことや朝読書を今後も継続していく。
の3点に力を入れ生徒の資質・能力を高めて行くことが、課題であると思います。
以上
毎年、全国学力学習状況調査として、中学3年生の国語と数学で行われています。3年に一度、国語・数学の他に理科が加えられますが、今年がその年に当たり4月17日に行われ、全国及び県 の集計結果が夏に、市の報告書が10月に届きました。それを元に、本校の結果や改善点についてまとめましたので、ご報告いたします。
【はじめに】
まず、この調査について説明いたします。調査は、国語・数学の学力診断のため、A問題・B問題に分けそれぞれ50分ずつ(1時間目から4時間目まで)実施、理科のテスト50分(5時間目)、学習状況を把握するためのアンケート調査50分(6時間目)を実施しました。
A問題は「基礎知識」が問われる問題で、B問題は「基礎知識を基にした応用問題」で記述式解答が多く主に「思考力や表現力」が問われる問題構成になっています。アンケート調査は「関心・意欲・態度」を把握する設問で、「自分にはよいところがあると思いますか」から始まり、教科に関する以外にも「朝食の摂取状況」や「放課後・休日の過ごし方」や「地域社会との関わり(ボランティアの参加状況)」などを選択肢の中から選ぶ形で尋ねられました。
全員が正解すると正答率100%で、これを100ポイント(以下、ptと表記)で表し、全国、県や市、学校集団の単位でptが出され、全体的な傾向を捉えることができます。しかし、あくまで集団全体の傾向(平均)なので、当然個々人の力はそれぞれ高かったり低かったりします。
この調査の目的が、それぞれ集団全体の傾向を把握して、今後の学習指導の改善や生活指導に生かすためのものであり、本校でもこの結果を考察し、これからの教育活動の改善・向上につなげていきたいと考えています。
【結果と傾向】
(1)全体
各教科ともに、A問題もB問題も全国平均や市のptを下回っています。A問題の基礎的な学習内容が定着していないため、応用的なB問題に必要な力が備わっていないと考えられます。
また、全体的に記述式の正答率が国語・数学ともに低く、記述式問題の無回答率も高く、自信がある問題には取り組むが、時間がかかりそうな問題や文章で自分の考えを答える問題には、手をつけない生徒が多いことがわかりました。困難な問題を飛ばして、解けそうな問題に時間を割く解答方法は、見方によっては合理的ですが、社会に出て説明を求められた場合には、自分の考えを表現することが必要ですし、入試の際には部分点につながる可能性もあります。今後は、面倒くさがらず、あきらめず、記述式の問題にチャレンジする意欲を持たせたいと思います。
(2)国語(A問題32題・B問題9題)
上記の通り、記述式の問題の正答率が低く、特に無回答の割合が高いのが特徴です。
逆に、A問題では、「文脈の中で語句の意味を捉え」たり、「話し合いの話題や方向を捉え」たり、「歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直し」たりすることは、全国のptを上回っています。
また、B問題では、「文章とグラフとの関係を考えながら内容を捉える」ことが、全国のPtを上回っています。
(3)数学(A問題36題・B問題14題)
A問題では、「文字式に数を代入して式の値を求める」ことや「証明の必要性と意義を理解している」ことに関しては、全国のptを上回っています。しかし、実際にB問題で、説明したり証明したりする設問のptが低く、4割を超える生徒が無回答のものもありました。
(4)理科(27題)
「テレプロンプターのモデルの光の道筋を検討して改善し、適切な光の道筋を説明する」設問に関しては、全国のptを上回っていました。また、「濃度が異なる食塩水のうち、特定の質量パーセント濃度のものを指摘する」設問では、市内のptを上回っていました。 分野別に見ると、生物や地学に関する設問には比較的強く、気象に関する設問に弱いことがわかりました。化学の分野では、燃焼実験に関してはptが低く、アルミニウムの実験に関してはptが高く出ました。興味や関心に左右されず、どの教科や分野にも同じように取り組めるように指導を工夫し、印象に残る授業を心掛けていきたいと考えます。
(5)学習状況アンケート(59項目)
全国のptを下回っているものは、学習面の項目に多く見られました。「宿題をしているか」、「今回の理科の文章で答える問題に最後まで努力したか」、「数学で問題の解き方や考え方がわかるようにノートに書いているか」、「観察や実験は好きか」、「数学ができるようになりたいか」などの質問を通して、学力向上に向けての努力、工夫、関心、意欲の不足がうかがえました。
また、「いじめは、どんな理由があってもいけない」、「学校の規則を守っている」、「朝食を毎日食べているか」などの質問を通して、規範意識、生活習慣にも課題が見受けられました。
放課後や休日の過ごし方として多かった回答は「部活動」と「メディア関連(TV、ビデオゲーム、インターネット等)」で、これは全国のptと比較してもほぼ同じでした。全国どこでも、中学生が部活動やゲームなどに夢中になっていることがうかがえます。次いで多いのが、本校も全国の回答も「家族と過ごす」や「友達と遊ぶ」でしたが、そのptは本校生徒の方が上回っていました。逆に「家庭で学習や読書」「塾に通う」は、全国の方が本校より高いptでした。
一方、全国のptを大幅に上回っているものとして、「地域社会でのボランティアの参加経験」、「先生がよいところを認めてくれる」、「理科の実験回数」などが挙げられます。他にも「数学が好き」、「数学は将来役に立つと思う」、「自分にはよいところがある」、「将来の夢や目標がある」などが全国を上回ってました。
【成果と課題~台中生の生徒像~】
自分のよさが認められる環境の中で、自己肯定感があり、将来の夢や目標に向かって好きなことには一生懸命になれる素直な姿や、地域・家族・友達との関りを大切にしている姿が台中の生徒像としてうかがえます。
反面、興味や関心のないものには努力が欠け、物事をあまり深く考えずに行動してしまう単純さや、学校を離れての学習の場面や時間が少なく、学習事項の復習や計画的な学習ができていない分、基礎知識が定着しないことにつながっていることが浮き彫りになりました。
【これまでの取組】
(1)少人数指導の充実
基礎が大切な1年生の学級編成を弾力という制度を用いて、36~37人学級の3クラスから、27~28人学級の4クラス編成でスタートしました。1クラスの人数が少なくなった分、学習面も生活面もきめ細かな指導が行えています。また、大学生ボランティアや「ちば!教職たまごプロジェクト」の学生研修生を要請し、学生の専門教科を中心にTT(※参照)による指導を行っています。さらに、他教科の職員でも空いている時間を活用しT2として配置しています。
※TTは、チームティーチング(team teaching)の略。主となる授業者をT1、補助役をT2と呼ぶ。
(2)授業力の向上
①QU検査を実施して、個々人の学級への適応状況を知り、学級や授業づくりに生かしています。
②小中一貫教育を推進し、相互の授業参観や協議会を通じて、小から中への教科のつながりを意識した授業づくりで中1ギャップ(※参照)の解消に努めています。
※小学校から中学校へ進学する際に環境の変化が大きいことで、不安やストレスを感じること。③校内で相互授業参観を行い、他教科や他学年の授業から学び、自分の授業に取り入れています。
(3)学習会の実施
①テスト前の学習会を行い、わからない部分の習得を支援しています。
②3年生を対象に、夏休み中に学習会を9日実施し、教員に加え、我孫子高校で教員基礎コースを履修した生徒や教職たまご、大学生ボランティアが、わからないところを教えました。
③夏の学習会に合わせて、自習室として図書室を開放し、自主学習の場を提供しました。
(4)その他の取組
①ICT支援員、学校司書、川村学園女子大学の学生を活用しての図書室の業務改善と環境整備。
②相談室以外に学習室を設置し、相談室登校の生徒への学習の場の提供。
③各教科の基礎基本事項をじっくり学習し、習得するための特別支援学級への通級学習。
④学校だよりを通じて、家庭教育の指針(2号、4号)や校外の自習スペース「あびこプラスワン」の紹介(3号)。
【新たな改善策】
(1)授業の中で興味・関心を持たせるため、ICTの活用、実験の工夫、自分たちで考え、話し合って答えを探し出すような生徒が主体的に活動する授業など、印象に残る授業を実践します。
(2)復習に役立つようなノートづくりの工夫や、家庭学習の習慣化を図るような宿題の出し方の工夫、すべての生徒にわかりやすいユニバーサルデザイン(※参照)を取り入れた授業の実施。
※学習支援が必要な子にとっても、そうでない子にとっても、理解が深まるような配慮。例えば、授業の流れを提示することで、今何をすればいいのかがわかり、すぐに次の学習や作業に入りやすいなど、ほんの小さな配慮と工夫で、学習への集中や理解が上がってくるような取組。
(3)生徒指導の3機能(自己決定、自己存在感、共感的人間関係)を活用することで、集団の中で安心して自分の考えや意見が言え、話し合い、認め合う中で、一人ひとりが主体的に学習活動を行えるような授業の展開を実践する。