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【野球部】千葉県中学校軟式野球大会 3回戦 ※顧問の熱い文章編

連日の猛暑の中、7月28日(日)にベスト8を懸けた3回戦を戦いました。会場は市原市にあるゼットエーボールパークです。対戦相手は船橋市立船橋中学校。激戦の船橋支部を勝ち上がり、県大会2回戦ではコールド勝ちを収めた強豪校です。

南部中
001 110 00=3
021 000 01x=4
船橋中
※8回より特別延長戦

苦しい試合となりました。南部中は序盤からヒットが出るもなかなか得点に結びつきません。2回裏の船橋中の攻撃、2つの四球、ワイルドピッチ、スクイズでノーヒットながら2点を失ってしまいます。3回表に谷越洸哉さんのタイムリーヒットで1点を返しますが、3回裏にも犠牲フライで1点を失い、主導権を奪えません。
しかし、南部中は4回に島田凱世さんの内野ゴロ間に1点、5回にも一死一、三塁から大竹輝一さんがスクイズを決め、ついに同点に追いつきます。同点に追いついた直後の5回裏、先頭打者に三塁打を許し、無死三塁の大ピンチを迎えますが、再びマウンドに上がった谷越さんが後続を断ち、無失点に抑えたことでこの試合初めて主導権を手元に引き寄せました。
6回以降は互いにチャンスを作るも生かせず、膠着状態が続きました。7回の攻防も、南部中は満塁のチャンスを作るも生かせず、一方で船橋中も先頭打者が出塁しますが、盗塁でアウトになり生かせず、ついに8回特別延長戦(無死一、二塁からのスタート)に入ります。

8回表、南部中は犠打でランナーを進め、一死二、三塁のビッグチャンスを迎えます。しかし、ここで船橋中のピッチャーがここぞの力を発揮し、南部中は無得点に終わります。
失点をした瞬間に負けが決まる8回裏、まずセカンド牽制で相手ランナーの意表をつきますが、ギリギリセーフ。その後、相手打者が三塁線に絶妙なバントを決め、無死満塁の絶体絶命のピンチを招きます。カウント2ボール1ストライクから船橋中はスクイズを選択。ピッチャー前に転がりますが、ピッチャーからホームへの送球は無情にもキャッチャーミットをすり抜け、三塁ランナーがホームイン。南部中の戦いが終わりました。

試合終了の瞬間、グラウンドの選手たちは立ち上がることができず、相手船橋中の歓喜の声だけがグラウンドに響き渡りました。本気で関東大会出場を目指し、本気でこの試合に挑んだからこそ創出された、劇的でそして残酷な瞬間でした。
この試合がもたらしたものは何だったのでしょうか。当然、悔しさという感情は真っ先に脳内を埋め尽くしたことでしょう。1日経ち、この文章を書いている私も、改めて悔しさが溢れてきます。春の全日本軟式少年野球千葉県大会で準優勝を果たし、確かな手応えを感じて迎えた今大会でした。しかし、今までできたことができないもどかしさ、県大会独特の雰囲気に対するプレッシャー、連日の試合による疲労、中学生にとってあまりにも大きすぎる障壁が次々と立ちはだかりました。しかし、それらを経験し、それを乗り越えようとしたからこそ生まれる価値があります。
数々のスポーツを見渡しても、野球ほど失敗するスポーツはありません。優秀と言われる打者でも7割は凡退(失敗)します。だからこそ、失敗に強くなれるスポーツでもあります。だからこそ、チャレンジすることが必要でもあります。3年生にとって南部中野球部で過ごしたこの2年半は必ず人生の大きな価値として残ります。それはみんなが目標を持ち続け、挑戦し続けたから。

最後に、これまで南部中野球部を支えてくださったすべての方々、南部中野球部を大きく育ててくれたライバルたち、その大きな恩に改めて感謝を申し上げます。
2年前に全国制覇を果たした仙台育英高校野球部の須江監督がこんなことを話していました。

「勝ったときに勝ちましたという報告より、負けたときに感謝を伝えられる。それは、絶対に欠かしてはいけない。」

負けたとき、うまくいかなかったときこそ、人生の大きなターニングポイントです。最後まで南部中らしく、クールに!そして前向きに!

勇気と希望をくれた3年生の選手の皆さんに、改めて大きな感謝の気持ちを表します。ありがとう。