八木っ子 トピックス

1年間で成長したこと(4年)②

修了式で児童が発表した、1年間で成長したことを紹介します。

☆あきらめない気持ち 4年U.R

 「なんでできないんだろう。」

 四年生になって初めての部活動が始まった。私が入ったのは、音楽部だった。楽器は、サックスだ。元々音楽が大好きだったので、最初は、胸がおどるような気持ちだった。

 最初に先生から、私がこれから使うサックスを渡してもらった。その後は、先生と五年生の言うとおりにサックスの準備をした。準備が終わったら、五年生からリードの吹き方を教えてもらった。私は、初めてリードを吹いてみた。けれど、音は出なかった。「なんで五年生みたいに吹けないの」と心でつぶやいた。私が下を向いていた時に五年生が私に「もっとおなかに力を入れるといいよ。」と笑顔でアドバイスをしてくれた。私は、一瞬で顔を明るくした。もっと五年生に少しでも近づけるようになろうと体中に力がわいてきた。五年生のアドバイスを参考に吹いていみると、ちゃんとした音はでないけど、初めてスカーと音が出たのだ。私にとっては、初めての第一歩だ。けれど、そんなにすぐに、喜ぶことは、なかった。なぜなら、まだ、ちゃんとした音がでていないからだ。その後何度も練習したが、やっぱりだめだった。何度も何度も練習をしたが、やっぱりだめだった。家に帰って、私が何もサックスのことを知らないことに気づいた。すぐに、サックスの曲や種類などを調べてみた。そこには、私の知らないサックスの世界があった。私とは、比べ物にならないきれいな音を聞いた。これを見て私は、まだあきらめたくないという気持ちが強くなった。次の日、五年生と私は、みんながいない静かな部屋に一緒にいった。私の音がかき消されて聞こえないからだ。五年生のお手本を見ながら、一生懸命練習をした。すると次の瞬間、ちゃんとした音が出たのだ。五年生は、笑顔で微笑んでくれた。次の課題は、楽器を使って吹くという目標だ。次の日、今日は、五年生に指の使い方を教えてもらった。すぐに、シやラやソは、吹けるようになった。けれど、一番下のレやミやファの三つの音は、全然できるようにならない。やさしく教えてくれる五年生を見ているとあきらめたくはなかった。高い音にも挑戦したがダメだった。また私は、リードだけで吹いた時の五年生からのアドバイスを思い出した。そうだ、おなかに力を入れるんだ。すると、「吹けた。」五年生のようい遠くまで響く音が出たのだ。私は、空まで届くようなジャンプをした。嘘だと思って、もう一度吹いてみると、今さっきよりも、うまく吹けて、私から笑顔が飛び出た。私は音楽がもっと好きになった。

 サックスがもっと上手になりたいと思ったのは、私にやさしく教えてくれた五年生のおかげだと思う。これからは、サックス以外にも、できないことに目標を立てて、あらめずに進んで取り組んでいきたい。きっとあきらめなければ、何でもできる。