弥生の風の冷たさも和らぎ、校庭の木々も芽を膨らませ春の訪れが感じられる、今日の佳き日に、益子町民生部長 福田幸利 様、 益子町議会副議長 長岡景介 様をはじめ、多数の御来賓の皆様の御臨席と、保護者の皆様の御列席を賜り、ここに平成25年度卒業式が盛大に挙行できますことは、私たち教職員にとりましても、この上ない喜びであります。御臨席賜りました皆様に、心より御礼申し上げます。
さて、卒業生のみなさん、そして保護者の皆様、御卒業おめでとうございます。みなさんの晴れの門出を祝福します。
ただ今、147名のみなさんに、卒業証書を授与いたしました。一人一人の引き締まった表情の中に、中学校3年間の生活をやり遂げたという、大きな満足感と、新たな人生への旅立ちの決意が感じられ、大変うれしく思います。
振り返れば3年前、東日本大震災に見舞われ、心の傷を癒やしながら、みなさんは本校に入学しました。当たり前に生活できることの幸せや、家族の絆、家族の温かさを実感し、また、仲間との友情を深めながら、みなさんは、この3年間の中学校生活を自分らしく、大変立派に過ごしてきました。
みなさんと共に過ごした3年間は、私にとって本当に幸せな年月でした。みなさんのすがすがしい表情や真剣な眼差しを思い浮かべるたびに、数々の感動が込み上げてきます。そして、みなさんに出会えたことが本当によかったです。特に最高学年として、また学校の顔として、大活躍したこの1年間は、みなさんのすばらしい自主的な活動に触れ、多くの感動と喜びを味わいました。
まず、自主的な「あいさつ運動」では、部活動や委員会活動を中心に、明るく元気なあいさつを広げようと、年間を通じて実践してくれました。地域の方々からも褒められることが多く、みなさんにとって大きな励みになったと思います。また、自主的な活動として、部活動や学校行事、ボランティア活動など、すばらしい活躍があげられます。今校長室には、七本の優勝旗が飾られています。また、職員室入口近くの棚や校長室にも、優勝や団体賞のトロフィーや盾が数多く置かれています。これらはすべて、みなさんの活躍ぶりを物語っています。
特に、卓球部男子・女子の全国大会出場、野球部・ソフトテニス部男子の関東大会出場をはじめ、多くの部が県大会や郡市大会で大活躍しました。文化活動でも多くの活躍が見られました。県吹奏楽コンテストや県アンサンブルコンテストでの活躍、下野教育美術展での県議会議長賞受賞、全国子ども陶芸展等での受賞の数々、さらには、NHK杯放送コンテスト全国大会出場など、立派な成績を収めました。これらの成果は、自分のよさを十分に発揮し、自らの「伸び代」を大いに広げた結果だと思います。
また、学校行事では、秋季大運動会での団結力や連帯感、そして躍動感あふれる演技など、学校全体を盛り上げ、導いてくれました。そして、「聖が丘祭」では、合唱コンクールでの美しい歌声、ステージ部門での創造性あふれる演技など、さすが3年生と、誰もが感動し、会場全体を美しく染め上げてくれました。
これらすべてのことに、共通することがあります。それは、校訓「聖心」の下、みなさんが「優れた人を目指し、日々努力し、やり遂げる」という態度です。目標を立て、その目標の実現に向け努力すれば、大抵のことはできるのだということを、これらの自主的な活動を通して示してくれました。
いよいよみなさんは、これから自分の選んだ道へ、新たな第一歩を踏み出します。ここで、みなさんの門出に当たり、二つのことを話します。
一つ目は、「失敗を恐れず、勇気をもって、燃える心で果敢にチャレンジしてほしい」ということです。「何も咲かない寒い日は、下へ下へと根を伸ばせ。やがて大きな花が咲く」という言葉があります。努力の成果が、思うように上がらない日もあるかもしれません。辛く苦しい日もあるかもしれません。そんな日が続くときでも、毎日地道な努力を積み重ねていってください。成果は急には現れないと思いますが、必ず大きな花を咲かせることができるのです。なぜなら、大きな花を咲かせるためには、それをしっかりと支える根っこが必要だからです。最後まであきらめず、地道な努力を続けてほしいと思います。
二つ目は、「思いやるという生き方を実践してほしい」ということです。「思いやり」という言葉の意味は、「相手の立場に立って思いを巡らすこと」です。しかし、それを行動に置き換えることの困難さは、みなさんは承知していることと思います。私たちは、一人では生きていくことはできません。必ず誰かのお世話になり、今日という日があるのだということを忘れないでほしいのです。そして、自分が受けてきた「思いやり」を、今度は人のために使い切ってほしいと思います。「生きる」とは、前に向かって進むことです。「進む」とは、人間の幸せを求めて、努力することです。他者を「思いやる」ことを忘れず、力強く生きていってください。
ここで、保護者の皆様に申し上げます。お子様の御卒業、誠におめでとうございます。立派に成長したお子様の姿を目の当たりにし、感無量のことと思います。全てが実を結び、本日ここに立派に御卒業の日を迎えられましたことに、心よりお慶び申し上げます。また、この3年間、本校教育に対する格別の御理解と御協力を賜り、改めて御礼申し上げます。
卒業生のみなさん、3年間よく頑張りました。褒めてあげたいです。すばらしい思い出をありがとう。多くの感動をありがとう。そして、最高の笑顔をありがとう。みなさんは私の誇りです。
結びに、卒業生のみなさんの限りない前途を祝し、式辞といたします。