文字
背景
行間
あの日 あの時(三春校)
今年度末に閉所を迎える三春校の思い出を振り返る、「あの日 あの時」です。
今回ご紹介するのは、10年前の今日、2011年9月1日の思い出です。
東日本大震災と原発事故の影響により、富岡町の子どもたちはある日突然、避難先の見知らぬ土地で、
友達も知っている先生も誰もいない学校に通う生活を送らなければならなくなってしまいました。
不安な気持ちを抱える富岡の子どもたちが少しでも安心して学べる環境をつくるために、
三春町の曙ブレーキ工業様の施設をお借りして、富岡町立幼稚園・小中学校を開設した日が
10年前の今日だったのです。
県内各地の仮設住宅等に避難している子どもたちを、数台のスクールバスで送迎することになりました。
約半年ぶりに友達や先生に会うことができて、子どもたちもうれしそうです。
「みなさん、おかえりなさい。」
当時は、避難先の学校に、まだなじめていない子どもたちもいたはずです。
大好きな友達や先生と一緒に生活できる学校ができたことは、どんなに心強かったことでしょう。
新しい富岡の学校と言っても、ここはブレーキ工場。
プレハブから、開設式が行われる会場に移動するのも、低学年にとっては一苦労でした。
現在は、園児1名、小学生5名、中学生4名ですが、当時はこんなにたくさんの子どもたちがいました。
教室として使用しているこの建物も大地震による被害を受け、天井が崩れ落ちているところもたくさんありました。
また、学校に当たり前にある物が何もありませんでした。
この三春校を開設するにあたっては、本当に多くの方々のご尽力とご支援をいただいたからこそ可能になったことを、
私たちは決して忘れません。
三春校が閉所するまで残り7か月となりました。
感謝の気持ちを忘れずに、1日1日を大切にしていきたいと思います。