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校長室のひとりごと「水泳の授業」

 今、水泳授業が話題になっています。愛知県大府市や静岡県沼津市などいくつかの市では、水泳の授業の廃止が報じられ、それに対し賛否両論の考えがネットでざわついています。学習指導要領では小1から中2まで水泳の授業は必修で行うことになっています。ただし「適切な水泳場の確保が困難な場合は実技で取り上げなくても良い」と記載があります。なぜ今水泳授業の廃止なのか、原因の一つがプールの老朽化です。1955年の小中学生の水難事故を期に、小中学校にプールを設置されはじめ水泳の授業を行うようになりました。本校は昭和47年にプールが設置され50年以上が経過しています。新設校は別として全国的にほぼ同時期の設置だと思います。沼津市の中学校のプールも老朽化が深刻で修繕には一校当たり2億円かかるそうで、学校での水泳授業を廃止したそうです。老朽化以外にも近年の猛暑の影響で、プールサイドは火傷しそうなくらいに熱くなり、水温も30℃、水中での熱中症の危険が高まっていること、宗教や多様化する生徒への配慮のため、体育教師の負担軽減など廃止する理由はいくらでもあります。中学校の体育の授業で水泳に充てられる時数も限られており、授業の中で全員が泳げるようになるには限りがあります。では、水泳授業は必要ないかと言えば、そうは思いません。7月に入り水の事故が全国で発生してる現状を鑑みれば、つまり原点に戻り、水難事故対策の一助と考えれば、水に慣れることは大いに役立つことだと思います。昔と違い、夏のレジャーも様変わりしプールへ行ったり海水浴に行く家庭も減少しています。水泳授業で水に慣れることの意味は大きいと考えています。