10月2日(木)の給食
福中コロッケ
コロッケは、ヨーロッパから日本に伝わり、日本独自の発展を遂げた揚げ物料理です。今では日本の家庭で定番の料理であり、肉屋さんのお惣菜としても親しまれています。
【コロッケの起源】
コロッケのルーツは17世紀のフランス料理である「クロケット」にあります。クロケットはベシャメルソースに細かく刻んだ具材を混ぜて揚げた前菜でした。
【日本への伝来と独自の変化】
〇明治時代の伝来と普及
19世紀末、文明開化とともにクロケットは日本に伝わりました。当初は西洋料理店で提供される富裕層向けの料理でしたが、日本では乳製品の加工技術が未熟だったため、ベシャメルソースの代わりにじゃがいもを使ったコロッケが考案されたと考えられています。
ただし、明治時代にはまだじゃがいもが安価ではなかったため、「じゃがいもでクリームコロッケを代用した」という説には異論もあります。西洋にもじゃがいもを使ったコロッケが存在したことから、洋風文化とともにじゃがいもコロッケが日本に伝わった可能性も指摘されています。
1872年(明治5年)には、日本の文献にコロッケの作り方が紹介されており、1887年(明治20年)や1888年(明治21年)の文献には「コロツケ」という言葉が登場しています。
〇大衆への浸透
1895年に女性向け雑誌で、クリームコロッケとじゃがいもコロッケが区別され、じゃがいもを使ったコロッケが大衆向けのレシピとして紹介されました。これが日本の家庭にコロッケが広まるきっかけの一つとなりました。大正時代には、とんかつやカレーライスとともに三大洋食の一つとされ、都市部の庶民に広く普及しました。
〇さらなる普及
1917年には「コロッケの唄」というコミックソングが大流行し、コロッケが日本全国で食べられるきっかけになったと言われています。1953年には学校給食向けの冷凍コロッケが開発され、大量生産が進み、家庭で手軽に食べられる惣菜としての地位を確立しました。