学校長の窓

学校長からのお話を掲載しています

『立志記念文集』に寄せて「二度ない人生をどう生きるか」

  立志の時を迎えた2年生のみなさん、おめでとうございます。立志とは自分の心に向かい、おもむくところをしっかりと決定し、一度こうと決心たからには、真っすぐにその方向を目指して、絶えずその決心を失わぬよ努力することです。
 人にはみな「夢」があります。しかし、その夢が夢のままに終わらないう、努力し続けることが大事なのです。「なりたい」と思っているだけでは夢は逃げてしまい、叶えることはできません。「なりたい」思いを奮い立せても、それに伴って「志」が立っていなければ、決心がゆるみ、後戻りてしまいます。だからこそ、一度士気を奮い起こしたならば、次にはしっりと「志」を立てることが大切なのです。
 しかも、「初志貫徹」の言葉通り、「志」を大切にしながら前に進むこと「志」にぶれることなく、柔軟な姿勢をもって前に進むことは、志を大切し、方策を考え、行動することから得られるのです。「太陽は夜が明けるを待って昇るのではない、太陽が昇るから夜が明けるのだ」という有名な葉があります。夜明けは、待っていてもやって来ません。自分が行動・実することによって初めて、夜明けをもたらすことが出来るです。 
 人間は、ただ漠然と生きているだけでは、自分の存在感が薄れ、自我意が解体する可能性があります。このような危機を乗り越えるためにも、自が向かう目的を見つけ、将来への方向性を見定めて生きてほしいと思います。 また、人が生きる最大の喜びは、「他の人の役に立っている、役に立つとが出来る、と実感出来ることだ」と言います。他者との関係の中で一定役割や使命を果たし、他者から必要とされることによって、自己の存在を感してほしいと思います。
最後に、社会心理学者のフロムの言葉を贈ります。
  「自分自身でないことほど恥ずべきことはなく、自分自身でものを考え、感じ、話すことほど、誇りと幸福を与えるものはない。」 
 自分の意志に基づき、自分らしさを表現して生きるとき、私たちは自分本物の人生を生きていることを実感でき、それが生きる自信と誇りを与えくれるのです。
 この立志の時は、二度ない人生を、どのようにすれば価値あるものとし送ることができるのか、真剣に考える機会でもあります。「志」を立てるとで、一日一日が大切なものに思えるようになるでしょう そして、「自は自分の主人公、世界でただひとり自分を創っていく責任者」という気概もって、「志」を確立し、自らの伸び代を大いに広げてほしいと願っていす。