10月1日(水)保護者の皆様へ ~手伝いをさせましょう~
保護者の皆様へ ~手伝いをさせましょう~
「日本の母親は召使いのように子供に仕える」と、ある著名なアメリカ人がテレビで言っていました。「アメリカの母親は召使いのように子供を使う」とも。“召使い”という表現は適切ではないと思いますが、日本の母親は、子供のニーズを先回りして、あれこれと手を焼き、子供の機嫌を損なわないように気を遣い、自分のことは後回しにします。子供の世話をして、子供に家事などの仕事をさせないことを親の愛情の1つと思っている方もいます。しかし、それは子供のペット化です。自分で食べ物を獲得せず、与えられたものを食べ、身の周りのことを全てやってもらっているペットは、たくましく自分で生活する力を失い、依存し、わがままになります。もしそのペットが飼い主を失ったら自分で生きていくことはできるでしょうか…。
子供を成長させるためには、力を発揮させる機会を与えなければなりません。掃除をしたり、洗濯物を干したり、料理をしたりするときは、幼い頃から子供をそばに置いて話しながら少しずつ見習わせることが大切です。そうして子供に任せられる仕事を1つ1つと増やしていき、それを認め、ほめ、感謝することで子供は自信を持った生活力のある人間に成長していくのです。このような機会の少ない子は、何でも親がしてくれると勘違いしています。自分は学校生活と習い事さえしていればよいと…。学校生活などで困難やトラブルにぶつかっても、それを自分の力で解決しようとはせず、周囲の人間や環境のせいにして逃避することも少なくありません。また、そのような場面に接した親も、決して我が子のいたらなさを指摘したり、叱咤激励したりせず、周囲の人間や環境のせいにするなど外部批判をします。そうならないためにも、子供だけではなく、「家事は家族みんなで分担してすることが当たり前」という生活を送りたいものです。家庭での生活を通し、たくましく生きていくためのスキルと精神の両方を養いたいものです。(校長)