あめふり
あめ あめ ふれ ふれ かあさんが
じゃのめで おむかえ うれしいな
ピッチピッチ チャプチャプ ランランラン
私は、雨が降ってお迎えをしてもらった記憶はない。
教員になって間もない頃、当時の学校長からある生徒のこんな話を聞いた。
突然の雨。迎えを頼もうと母親に電話を入れた。
「自分で忘れたのだから、迎えに行かないよ。」
母親へ憤りをぶつけたい気持ちで、玄関を勢いよく開けると、そこには数枚のタオルと
「おかえり、お風呂沸いているよ。」いつもの明るい母の声。
ゆったりと湯船につかる名前もしらない生徒の顔が浮かんだ気がした。
そして、愛情には様々な形があると改めて思った。
1学年 中村 昌子