校長室

学びと充実の3日間、感動の修学旅行!

 3年生は24日()~26()まで奈良・京都方面への修学旅行に行ってきました。この3日間(特に最初の2日間)、生徒たちは事前に学習して自らが追求してきた課題を検証する本物の「学びの修学旅行」を見事に実践しました。そして、私はこの修学旅行で「学びが人の行動を変える」ということを心底実感しました。

 初日、早朝5時11分の始発電車で布佐駅を出発し、東京駅に向かいました。車中、一般のお客さんに自然に席を譲る生徒たちの姿がとても微笑ましく、最高のスタートを切りました。7時20分の新幹線で一路京都駅に、ここからさっそく検証テーマごとのグループ別行動へとうつります。昨年と大きく違うのは、全生徒が学習のテーマを「日本のまほろば」である大和地方、すなわち飛鳥・斑鳩を始めとした古代史の中心から平城京が置かれた奈良市内に絞ったこと。これが生徒を歴史のロマンへと駆り立て個々の学習を深める大きな要因となったのではないかと思います。そして、それぞれの検証場所で大変にわかりやすく、生徒が学習してきたことを上手に引き出しながら様々なことを教えてくれた観光ボランティアのガイドのみなさんや各寺院の関係者のみなさん、何十回と奈良を訪れている私自身も、思わず話に引きこまれそうに、いや惹きこまれていました。生徒たちの学 びが大きく膨らんだのは、まさにこの方々の支援があったからに他なりません。1日目の学習を終え、橿原市にあるホテルに戻ってきた生徒たちは口々に「すごく楽しかった」「おもしろかった」「いい1日だった」と、こちらから聞こうとする前に笑顔で報告をしてくれました。そして、我孫子にいたら電車では東京に行くことさえ迷いそうな子ども達が、遠く離れた方向さえわからない初めての地で、時間通りに、怪我やトラブル等も一切なく自分たちの力で行動できたこと、自分たちが真剣に学んだことを一生懸命に確かめようとする気持ちが、こんなところにも波及したのだと思います。

 2日目も前日とは異なるメンバーで、探究の旅に出かけて行った生徒たちでしたが、さらに充実した面持ちで天理市にあるホテルに時間通りに笑顔で帰ってきました。夜の報告会や職員の反省会では、生徒からも先生方からもたくさんのうれしい報告を聞くことができました。この2日間を終え、生徒たちにとって本当の楽しさとは何か、修学旅行の意義とは何かを彼らの取り組みや活動の様子から改めて教えられたような気がしています。

 ここまでは素晴らしい生徒の様子ばかりを書きましたが、実は、何と言ってもまだまだ中学生、初日に京都駅から奈良方面に向かう車内、最初に薬師寺を訪れるメンバーが最後尾の車両にかたまってしまい、一般のお客さんを度外視したマナーの悪い行動が見られました。そして、この行為は夜の子ども達による実行委員会に報告をされたのですが、そこでは教員が入る余地のない白熱した議論が交わされ、リーダーたちの「何としてもこの修学旅行を成功させたい」という熱い思いが失敗した生徒たちにも伝わり、翌日の行動改善へとつながりました。

 そして最終日、京都でのクラス別行動です。朝からあいにくの大雨でじっくりと見学というわけにはいきませんでしたが、それぞれクラスで話し合って決めた場所でお土産に、写真撮影にと思い出に残る半日を過ごせたようです。最後に清水寺で全体が集合し、降りしきる雨の中、ずぶ濡れになりながら学年みんなで撮った集合写真は一生の記念品になるのではないでしょうか。

 古の都に思いを馳せた3日間、生徒たちは大いに学び、大いに楽しみ、満足感と達成感を胸に、確実に成長した姿で帰ってきました。帰りのバスの中でも「もう終わってしまうのか…」とか「帰りたくない…」という声が聞こえてきたほどです。これから3年生の生徒たちは、この感動的な成功体験を自信として今後の日常生活に、すべてにおいて「中学校生活最後」となる各行事に、そして個々の進路実現に向けて大きく羽ばたき飛躍する、私たちの期待に応えてくれるという確信を改めてもった修学旅行であったことを最後に報告させていただきます。

 

※生徒の活動の様子(写真)は「生徒の活動」のページに掲載しますので、そちらもご覧ください。