校長室から

校長室から

令和5年9月1日 2学期始業式 校長の話

 7月から夏休み中の部活動では、「楽しく、一生懸命」に取り組む姿がどの会場でも見ることができ、とても嬉しく感じました。運動部では、自分の力を発揮できた人、悔しさを味わった人もいたでしょう。パソコン部の発表会、演劇部の公演、吹奏楽部や合唱部のコンクール等でも、一生懸命にやったからこそ感じられることがありました。

 部活動以外でも、英語スピーチコンテスト出場者、平和派遣で広島市を訪問した2人、北方領土視察派遣により北海道で学んできた4人も良い経験になったと思います

  今日から始まる2学期、皆さんに充実した日々を送って欲しいと思っています。授業で学び合い、行事を自分達でつくり、生徒会活動を盛り上げ、部活動を楽しく。友達や先輩・後輩と活動することが多くなります。そこで大切なのが、「コミュニケーション」の力です。コミュニケーションとは「気持ちや考えを伝え合うこと。情報を受け取り合うこと」。会話や対話を交わすことです。良いことには「いいね」「凄いね」と認め、讃える。「こうやったら上手くいくのでは」とアドバイスする、「次はできるよ」と励ます、「ありがとう」や「ごめんね」等の声を掛け合うことです。 

  

 では、コミュニケーションの第一歩は何でしょうか?そう、挨拶ですね。挨拶は目的・ゴールではありません。目を合わせて挨拶することは相手の存在を認めること、相手を尊重(リスペクト)する態度の1番目です。

 体育祭では本校独自の賞『さわやか杯』があり、相手よりも先に、笑顔で、大きな声で挨拶をした団に賞を与えます。ここで、皆さんに問います。挨拶で順位をつけることに疑問を感じる人はいないでしょうか?実は私、昨年4月に我孫子中に赴任してきて疑問に思いました。しかし、「これをきっかけに挨拶を盛んにしようという取り組み」と説明されて、やってみようかという気持ちに変わりました。ただし、この賞をとることもゴールではありません。体育祭が終わった後でもさわやかな挨拶が続いていることが望ましい姿であり、それが目指すべきゴールです。

  私は、教育委員会で働いていた期間がありました。いろいろな小中学校を訪問する機会があり、主に授業を見学しましたが、授業以外で児童生徒と挨拶も交わしました。よく挨拶する学校とそうでもない学校があるのが実態です。児童生徒がその学校の先生に挨拶するのは、当たり前でしょう。教育委員会のような外部の訪問者、保護者、工事業者の人、高校の校長先生もよく訪れます。そんな外部の方々にさわやかな挨拶ができて本物だと思います。実は私の中で、よく挨拶できる学校ランキングがありました。我孫子中は、市内6校中、…残念ながら1位ではありませんでした。では、1位の学校はどんな挨拶をするか。その中学校の生徒は視野が広く、あいさつに迷いがありません。私が訪問して駐車場で車を降りると、10m以上離れたその学校の生徒が私の存在に気づき、大きな声で挨拶をくれました。私がどこの誰かなんで関係ない、学校に来た人はみんな関係者だから迷わず挨拶をするのです。もちろん廊下ですれ違う子も迷わずあいさつしてくれました。

 これと似たことを今年の県大会で応援に行った時も経験しました。たまたま近くにいた学校の生徒が迷わず私に挨拶してくれました。さすが県大会出場校だと感心しました。「視野が広く、迷いなく挨拶ができる。」は、本校が目指すべき挨拶の姿、レベルではないでしょうか?

 私はさらに友達同士の挨拶が重要だと思っています。互いの存在を認め、相手を尊重することになります。友達同士ですから、「おはよー」とか「おーす」「やあ」「よう」など、いろいろでしょう。まずは挨拶、そして会話へとコミュニケーションは進みます。さらに授業において、「ここがわからないから教えて」「いいよ」という会話が盛んに行われるようになると、コミュニケーションは益々深まっていくのではないでしょうか。

  

 もちろん、今年の体育祭では『さわやか杯』を決めます。しかし、いつか「校長先生、我孫子中の体育祭に『さわやか杯』は必要ないです。皆いつでもさわやかな挨拶できますから。」と皆さんから意見が出ることを期待しています。