校長室

”節目”を考える進路保護者会


  絵文字:晴れ  15歳の生き方を振り返る(進路選択)
                                    校長 杉橋 朋子

  体育館前に咲く紫陽花が一段と鮮やかに見える。湿度が高くうっとうしい梅雨空だった
 が、実におおくの保護者の皆さんが集まった。それだけ、保護者の皆さんの関心の高さがうかがえる。いつも、この第1回の進路保護者会では、私にはどうしても伝えたいことがある。毎年、1月末に公立の”志願理由書”がとりまとまって私のところへ報告がくる。一人ずつ読みながら、中学校3か年の教育内容を振り返る機会としている。さらに、12月から2月にかけて、個別に”校長面接”を実施し、生徒の思考力や判断力・表現力などの「学力と「社会性」の一端が見える。その内容や書き方、所作から感じることが多くあり、そのことの一つを、保護者会の際に伝えたいと思っていたのである。
  あの「志願理由書」には、3年間の生徒の思考力・判断力・学習意欲などが凝縮されてい
 る。「高校の志望動機」一つを尋ねても、かえってくる回答は様々だ。それでよいと思って
いる。 自分の学習や体験活動に裏打ちされた”自分だけの答え”がかえってくる場合では、語彙も多く、場に応じた回答がある。さらなる質問にも、ひるむことなく答える。最終的には、「人の役に立つ」という発想も見える。人との豊かなコミュニケーション力があるということだ。
  この力は、点数で出る力とは少し違う。いわゆるPISA型といわれる学力だ。学校での
 勉強は、その深くて広い”人間力”をあげるためだ。よく考え、自分なりの判断を自分でできる。結果も自分で引き受ける。そんな力だ。
 そのような力を評価するのは、社会の人や高校の校長先生であって、自分ではないということも重要だ。目線は常に「社会から」「自分」を見ることである。15才は、そんなことも十分できるような年齢となっている。この機会に、自分を客観視し、足りないものは何かと考えて、この先の数か月を送っていけるとよう、学習指導に当たりたいと思っている。
 学習で「自立、自律」を教えていかねば。 そんなことを考えながら、帰り際、多くのお母さんと窓越しに話ができたことがうれしかった。明後日から試験。生徒には、自分の責任において、しっかりとした学習にいそしんでもらいたい。